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Thanks to Frederique Daubal for KENZO.

FEATURE

FEATURE:歴史の新しい章を刻もう!(僕たちも)

KENZO
歴史の新しい章を刻もう!(僕たちも)

artwork Aiko Koike text Sakiko Fukuhara edit Toshiko Nakashima

高田賢三さんの志を継ぐ新クリエイティブ・ディレクターのフェリペ・オリヴェイラ・バテ ィスタから届いたメールの中に 「歴史の新しい章を刻む」という言葉があった。 そうだ。新しいストーリーが始まるのだ。 渋谷パルコのビジュアルを作ったM/M(Paris)が、 新しいKENZO のキャンペーンビジュアルも手がけているように、 今、フェリペの周りにはたくさんの才能 が集まり、彼が率いる新しいクリエイティブへの希望に満ちている。 KENZOは昔からずっと、 これからもずっと、ハッピーでパワフルで驚きと喜びに満ちている。

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Thanks to Frederique Daubal for KENZO.

Frederique Daubal for KENZO

2020年秋冬パリ・メンズコレクションの発表後、世界は予想していなかった状況に。 コロナ禍の下、新クリエイティブ・ディレクター、フェリペのコレクシ ョンをセレブレートするために、 KENZOの公式インスタグラムでは世界各国のア ーティストが手がけたアートワークが投稿されました。 アムステルダム在住の フレンチガール、フレデリック・ダウバルが、コレクションルックに花びらを一枚一枚コラージュ。 顔が美しい花で覆われたユニークなアートワークを生み 出しました。

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©KENZO

KENZO×WWF

創業当初からブランドのシンボルとして掲げるタイガー。 絶滅の危機に瀕するトラの保護活 動への手助けをしたいと考えたKENZOは、WWF、そして彼らのプロジェクト「TX2」イニシアチ ブと協力し、 寅年にあたる2022年までに野生のトラの生息個体数を倍にすることを目指して います。 100%オーガニックコットンで作られたスウェット、Tシャツ、スウェットドレスを販 売し、一点につき10米ドルを「TX2」イニシアチブへ寄付。 この試みは2022年まで続きます。

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Photo: Glen Luchford Talent: Lala Stone, Lil Buck, Rose Valentine Stylist: Jane How Design: M/M(Paris)

NEW CAMPAIGN

フェリペ就任後、初となるキャンペーンビジュアル撮影。 フォトグラファーのグレン・ルッ クフォード、長年のパートナー、ジェーン・ハウとタッグを組み、 アゾレス諸島での撮影を 予定していたものの、パンデミックによりロードトリップは諦めることに。 そこで生まれた のは今までにない驚くべきアイデア! グレンのアーカイブ写真をピックアップし、 その写 真に映る人物と同じポージングでモデルルックをスタジオ撮影。 ルックを着用した人物写真 を過去作品と合成することで、新しいイメージを打ち出すことに成功しました。

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©KENZO

KENZO Sport

力強いタイポグラフィと心地良さを追求したテクニカル素材で作られたニューライン「KENZO Sport」も仲間入り。 性別にとらわれないジェンダーフルイドなコレクションのアクセン トとなるのは、 Xに変形したグラフィカルなKENZOロゴ。モードさを兼ね備え、シンプルで動 きやすく、 シーンを選ばないワードローブは、新生KENZOを形作る重要なエレメント。 アクロバティックなムーブメントをミニマルに捉えたイメージヴィジュアルにも目が釘付 け!

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©KENZO

KENZO Onda

ポルトガル語、スペイン語で波を意味する「Onda」と名づけられた新アイコンバッグが誕生。 自然から受けたインスピレーションをもとに、穏やかな曲線を描くアクセサリーコレクショ ンは、エレガンスと機能性が融合した逸品。 3サイズのバケットバッグをはじめ、ユーティリ ティベルト、ボトルホルダー、スマートフォンポーチといったハンズフリーで楽しめるアイ テム構成。 エクリュ、カーキ、キャメル、ブラックといった自然色を意識したカラーリング も見逃せません。

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Interview with Felipe Oliveira Baptista

―デザイナー就任前、KENZOというブランドにどんなイメージを持っていましたか?
KENZOというブランドは高田賢三氏のパーソナリティーをとてもよく反映していると思いま す。 自身のバックグラウンドと美学に加え、フランスのサヴォアフェールや人生を楽しみ愛 することを表現できるファッションハウスを築く夢を抱き、 日本からフランスにやってきま した。彼は自分のクリエイションに喜びや楽しさを吹き込んだのです。 高田氏の自然に対す る絶対的な愛情、多文化、多様性が、ブランドを成す重要な軸だと感じます。 とても豊かで 興味深いストーリーを持った歴史のあるブランドに身を置き、 新しいビジョンを持って自分 らしいひねりを与えていくことはエキサイティングなことだと思っています。
―新作コレクションのアイデアについて教えてください。
2020年秋冬コレクションは「Going Places」というアイデアからスタートしました。 私にと ってのKENZOは「for Everyone, about everyone(全ての人に向けた、全ての人のためのもの)」。 長い歴史の中にあるたくさんの異文化や地理的なリファレンスをもとに、私自身のヒストリ ーの中にあるものを融合させたいと思っていました。 多様なもののミックスを、一つのシル エットで見せる、一つのルックは一つの感情という考え方です。 同時にKENZOというブランド の価値についても考察していました。 ブランドスピリットはとても大切でコレクションを制 作する上での大きなインスピレーションであることは言うまでもありません。 日本のミニマ ルな美学ももちろんヒントをくれますが、KENZOが持ち合わせてきたポジティブな精神や自由 さ、時代にとらわれないタイムレスなクリエイションといった点に感化されることが多いで す。
―デザインをする上で大切にしていることについて教えてください。
自分にとって大切なのはまず、物語を頭の中で描き、リファレンスを組み立てていくこと。 脚本のようなもので、それに沿ってチームと共に実際のデザインに取り組んでいきます。 シ ーズンごとに異なるアプローチ方法をとり、自分自身をちょっと驚かせるようなことも大切 です。 誰かにサプライズを与えたい時はまず自分から! ですよね。私は自分のキャリアを 通じて、様々なことを見てきました。 それが私の好奇心とモチベーションになっています。 音楽を聴きながらアートを観たり、道行く人がどんな格好をしているのか、誰かの家の庭に 置かれたゴミが何色か、なんてことも考えています。 アイデアがどこからくるのかが重要な のではなく、いかにアイデアとコンセプトを同時に組み立てられるかが全てだと思っていま す。
―クリエイティブディレクターとして今後チャレジしたいことは? クリエイティブディレクターに就任するということは、そのブランドの歴史に新しい章を刻 むことです。私がまず取りかかったのは、ブランドロゴの見直し、そしてアイコンでもある タイガーのデザインアップデートです。コレクションの色使い、グラフィック、そしてシル エットにおいても、今までとは違うアプローチ、そして異なる感性で取り組んでいます。こ の新しいチャプターは大きな課題や挑戦が伴うでしょう。次のステップはKENZOのショップを 世界中に広げていくことです。

フェリペ・オリヴェイラ・バティスタ
1975年、ポルトガルのアゾレス諸島で生まれ、リスボンで育つ。 ロンドンのキングストン 大学でファッションデザインを学び、卒業後はイタリアでMAX MARA、パリでChristophe Lemaire、Ceruttiにて経験を積む。 2002年、イエールフェスティバルにて自身の名前を 冠した初のコレクションを発表し、グランプリを受賞。 2005年~2009年にフェリペ・オ リヴェイラ・バティスタとして毎シーズン発表を続ける。 2010年から8年間、ラコステの クリエイティブ・ディレクターとして活動。 2020年秋冬コレクションより、KENZOの クリエイティブ・ディレクターに就任する。

KENZO
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2F ☎03-6712-7177 営11:00~21:00 無休
*営業時間および年末年始営業日については渋谷パルコWEBをご参照ください

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