FEATURE:これからのフードカルチャー(2)
渋谷パルコに凝縮された、
これからのフードカルチャー(2)
photo Naoto Date text Rio Hirai
渋谷パルコのメインダイニング「chompoo」を経営する森枝幹さんと、世界に5つのバーを構える仲良しの後閑信吾さん。ふたりで渋谷パルコを食べ歩きながら、渋谷の食文化の未来を考えてみた。
FALAFEL BROTHERS(7F)/イスラエル人のアムノン・アガシーさんがイスラエル料理のファラフェルとヴィーガンカルチャーを日本に伝えるべく、 塚原大輔さんと共に六本木の1 号店から始めた店。森枝さん(右)が頬張るのは 「ビーガンバーガー ビガ・ニク」(セット¥1,600)。後閑さん(左)は 「ブラザーズサンドイッチ」(1/2 サイズのセット ¥950)。
森枝 ファラフェルサンドやビーガンバーガーが食べられる「FALAFEL BROTHERS」や、全てビーガンメニューの居酒屋「真さか」もあります。
1 つの商業施設に 2つもビーガンの店が入るなんて、 これまでだったらあまり考えられないですよね。
後閑 日本はまだまだビーガン対応しているところが少ないから、知っておくと今後海外からのゲストにも勧められるから便利だよね。
国内のビーガンの 人もどんどん増えているし。
米とサーカス(B1)/和食がベースのカジュアルなジビエ料理や、昆虫料理を楽しめるレストラン。 ランチタイムは、昆虫を使ったハンバーガーやスイーツ、ドリンクを提供する「バグスカフェ」に。 栄養価の高さと環境負荷の低さから“世界を救う食材”と注目 される昆虫食に気軽に挑戦できる。秋冬には天然ジビエ鍋のコース(¥2,500~)も登場。
森枝 ビーガンだけじゃなくて、昆虫食も楽しめるんですよ。
「米とサーカス」は、高田馬場でスタートした獣肉酒家で、僕も昔から付き合いがある店。
後閑 森枝くんも昆虫食、やっていたもんね。まさか渋谷の真ん中で昆虫食が食べられるなんて、街の懐の深さを感じるよ。
森枝 そうですよね、なかなかチャレンジングだと思います。
Campy! Bar(B1)/渋谷パルコ地下でもひときわ盛り上がる、老若男女・セクシュアリティなんでもありの MIXバー。 新宿 2 丁目やメディアでも活躍中の女装ウェイトレス&LG BTスタッフがおもてなししてくれる。 1杯ずつの明朗会計で、バー初心者にも安心。営業時間やスタッフ情報は twitter (@Campy!_bar)をチェック。
森枝 あとは新宿二丁目に行かずともMIXバーが楽しめる「Campy! bar」も、深い時間まで賑わっています。
営業時間が長いので、周辺の飲食店の関係者か仕事帰りに飲んだりしていますね。
後閑 僕は営業時間が被ってしまうからなかなか行けないけれど......、早い時間からサクッと飲むのにおすすめの店はある?
THE LITTLE BAR OF FLOWERS(1F)/日中は花屋、夜はワインスタンド。ノンアルコールバー「Bar Straw」も不定期営業 中で、2 人が飲んだのはセロリやパセリ、胡麻とアップルタイザーを合わせた「セロリと胡麻のシジュ」(¥700)。「僕もノンアルコールカクテルには力を入れてきたけれど、 カジュアルに飲めるのは良いね」と後閑さん。
森枝 それならば、1階の「THE LITTLE BAR OF FLOWERS」へ行きましょう。
ここは明治神宮前の 「eatrip」というレストランに併設する花屋さんがや っている店なんですが、夜はべンチを出してナチュラルワインが飲めるスタンドになるんですよ。
後閑 本当に花屋がそのままバーになっているんだ。 街角にこうやってカジュアルにおいしいお酒が飲めるスタンドがあるのは良いね。
森枝 不定期でノンアルコールバーもやっているみたいなんで、一杯飲んでいきましょう。
後閑 いやぁ、渋谷のことはよく知っていると思っていたけれど、ひとつのビルの中にこんなに色々な 世界が広がっていたとは知らなかった。仕事前のひとり飯にも使えるし、サクッと飲んで帰ったり、色々な使い方ができるよね。
森枝 そうなんですよ。僕も当初の予定とは違うスタイルになったけれど、今は、少人数でも色々な料理が楽しめるメニューに調整しています。
後閑 僕の上海の店も、今は客足がすっかり戻ってきている。みんなやっぱり飲食を楽しみたいという気持ちが尽きることはないということだよね。
森枝 それは今回、改めて感じました。海外旅行できない今だからこそ、渋谷で、世界中の食文化のことを食べながら考えてみるのは面白いですよ!