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『Twisted』|Gallery STANキュレーショングループ展・オープニングパーティ・PARCO × VISLA Magazine × Gallery STAN @SUPER DOMMUNE トークセッション&LIVE・DJイベント レポート

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『Twisted』|Gallery STANキュレーショングループ展・オープニングパーティ・PARCO × VISLA Magazine × Gallery STAN @SUPER DOMMUNE トークセッション&LIVE・DJイベント レポート
『Twisted』|Gallery STANキュレーショングループ展・オープニングパーティ・PARCO × VISLA Magazine × Gallery STAN @SUPER DOMMUNE トークセッション&LIVE・DJイベント レポート

昨今、国際的なアートフェアが進出し、ヨーロッパのギャラリーが熱い視線を注ぐなど、さらなる盛り上がりを見せている韓国のコンテンポラリーアート。7月19日、その最先端を牽引し、ニューヨークとソウルにある現代美術ギャラリー「Gallery STAN」がキュレーションしたアーティスト5名による展覧会『Twisted』が、PARCO MUSEUM TOKYOで開幕した。本展が開催された背景には、「東京とソウルから、世界に向けてアジアのカルチャーを発信し、新たなムーブメントを作る」というテーマがあり、2023年から親交を深めてきたPARCOとGallery STANによる文化交流企画の第二弾として開かれたのだ。 ※第一弾は、本年2月にソウルで開催されたGallery STAN主催のアートフェスティバル“MESS”へ、PARCOが参加。

初日の夜は展覧会『Twisted』を記念して、渋谷PARCO内の2拠点でオープニングパーティを同時開催。SUPER DOMMUNEでは、韓国ウェブメディア『VISLA Magazine』や「Gallery STAN」による、韓国のアートと音楽に焦点を当てた2時間超のトークセッション&LIVE・DJイベントが繰り広げられた。そしてComMunEでは、韓国と日本のアーティストによるDJ・音楽パフォーマンスが開催され、日韓のカルチャーの融合にフロアが沸き上がった。本展の見どころと、SUPER DOMMUNE・ComMunEでの熱狂を、スナップフォトとともにレポートする。

Photo
Sachiko Saito
Photo
Koki Morishima
Text
Mami Hidaka
Edit
RIDE Inc.

Index

Gallery STANキュレーショングループ展『Twisted』オープニングパーティ @PARCO MUSEUM TOKYO

卓越した表現の中に、どこか捻じれを感じさせる“Twisted”な魅力を持つ韓国の気鋭アーティストたちの展覧会。参加作家は、様々なパロディを通じて大衆に馴染みのあるブランドやアイコンを再解釈した独創的な作品を手がけるSAMBYPEN(サムバイペン)、人間の身体への関心や欲望を軸に絵画表現を追求するN5BRA(ノブラ)。そして鷲や車などの象徴的なモチーフを、グラフィティやシュルレアリスムの要素を取り入れながら鮮やかに描くMAWZ(マウズ)、ストリートカルチャーやヒップホップ、サブカルチャーからの影響をもとに平面作品を展開するBAZBON(バズボン)、デジタルアートや技術があふれる現代において油絵の表現を探求するKim Doongji(キム・ドゥンジ)の5名である。
それぞれに作品についてと、来日した感想を聞いてみた。









SAMBYPEN

展示会場に入ってすぐの壁を飾るのは、本展のために制作したというSAMBYPENの新作群だ。SAMBYPENは、新作のコンセプトやプロセスについて「深く考えず直感的にモチーフを選び、変形させながら画面の上で組み合わせることで、自分にとっても予想外の意味や演出が生まれる」とコメント。偶然性を利用しながらアイロニーとユーモアを生み出す感性はもちろん、それを彼がどのようにアウトプットしているか、独自の表現手法にも注目してほしい。彼の表現手法は、あらかじめ作成したデジタルデータをキャンバスに描き、その上にレーザープリンターで緻密にカットされた木材を貼り付けていく…という独創的なもの──絵画というよりも、アナログとデジタルを行き来する“平面的な”立体アートなのだ。XLARGEやMCMとのコラボレーションも記憶に新しいSAMBYPENだが、本展では彼の作家性をオリジナルの3D作品でフルに感じることができた。

「日本にはたくさん来ていますが、これだけ大きな展示のために来るのは初めてで、とても緊張しています。今日は本番ですし、今日のためにあまり外には出歩いていません。明日の夕方には友人のTAPPEIのところで、TATTOOを入れる予約をしています。柄はできるだけ変なやつで(笑)彼がやりたいと思うモチーフで入れたいと思っています」









BAZBON

BAZBONは、日本のストリートファッションを軽やかなイラストタッチで描いた作品を発表。いずれの作品も、オルター・エゴ(別人格)としてデザインした面も線もない真っ黒なキャラクターを登場させたり、アニメのモチーフを所々に散りばめたり、お茶目でミステリアスな雰囲気も併せ持っている。

「日本のカルチャーは、自分が最初に絵を描くようになったきっかけなんです。鳥山明氏の漫画に触れて、影響を受けました。なので、今回はあえて、ドローイングで出展しています。それに、いつも日本に来ると買い物に対する期待値が高いです。ファッションアイテムだけではなく、インテリアを見るのも楽しい。日本は細部に渡って、こだわりが強いので、そこがいつも勉強になっています」









MAWZ

MAWZは、手紙を象った絵画から始まり、車を恋人に見立てて車と車のドラマチックな展開を描いた作品へと続く連作を発表。車をモチーフに選んだ背景については、「国道に集まってレースをするスピード狂たちを眺めるなかで、人ではなく車に感情を、車と車の関係性に物語を見出していくようになった」とコメント。一枚完結ではなく、物語を想起させるために連作で展示する方法は、MAWZの作家性の一つであり、彼は「映画をコマ送りすると、コマとコマの間隔が離れていたとしても、ある程度はその間の繋がりを想像することができる。そのようなシネマティックな絵画表現を突き詰めていきたい」と意気込んだ。

「日本は文化的な観点でとても特別な力を持っていると思います。またそれをどの国よりも表現することに長けてるとも思います。特に自分が子供の時に見た日本の漫画は自分にとって大きな影響を与えました。日本の漫画とアニメーションは今も楽しんでいる趣味の一つです」









N5BRA

実存への関心や欲望を軸に、女性の身体を描くN5BRAは、日本のフェティシズムの一ジャンルである緊縛を描いた刺激的な絵画シリーズなどを発表。彼は、身体の中に意識がある、物が存在することで空間が立ち上がる、というような不安定な実存性に対する強い関心を持ち、「画面の中で空間を描き続けている。実存性への不安を埋めるために、描かずにはいられない」と話した。

「日本はとても好きです。持っている文化力がすごいですし、学ぶ部分しかないと思っています。絵を描くときに参考にすべき作家さんは日本の方が多いです。好きな作家は山口歴。歴さんとは親しい仲です。親分みたいな(笑)。ART FAIR TOKYOのときに同じブースで参加しましたが、そういう方から常に学んでいると思います」









KIM DOONGJI

SAMBYPENと同じ1992年生まれでありながら、対照的な油彩を展開しているキム・ドゥンジ。現代の都市環境に生きる人、建築物、自然、動物などをモチーフに、厚塗りの油彩で心象風景を描く。キャンバスに絵を描くことを通じて自分自身と対話しているというキムは、「カメラやコンピュータが開発され、絵画でしか表現できないことが格段と減るなかで、僕は自分が画家であり続ける意味を探さなくてはいけなかった。自分の外側にあるものではなく、内面を表現すると決めた」と話す。

「子どもの時から日本の文化やコンテンツと自然に接してきたので、親しみがあります。自分自身は絵を描く人間なので、何より細かい造形やディテールを見るのがすごく楽しい。たとえば、古い街に行くと、公衆トイレの洗面台の形が街ごとに全部違う。日本という国は多様なモノが許されるし、そういうモノが合わさってひとつの調和を成しているところが、私にとっては興味深いです。日本に来るのはいつも楽しいですね」

同時代を生きながらもまったく異なる表現を追求する5名の新作を通覧できる多彩な展覧会は、見るものの琴線に5名それぞれのかたちで迫ってくる面白さがあった。









Gallery STANキュレーショングループ展『Twisted』オープニングパーティ @ComMunE

オープニングパーティとして、韓国と日本の注目アーティストによるDJ・音楽パフォーマンスが開催された「ComMunE」。メインアクトに韓国からスペシャルゲストとして、BTSのRMがフィーチャリングに参加したアルバムで話題の注目アーティスト・Coldeを迎え、ボルテージは急上昇。DJ Skopeや、Gen YamadaとSOTAによるDJデュオ・WASPも登場し、展覧会のオープニングを熱狂の渦で彩った。









Colde









DJ Skope









WASP





KWONVISLA Magazine)/JunNEUT Magazine オカモトレイジ Kwon Sumi N5BRA/SAMBYPEN

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