個展開催と同時に、作品が即日完売というアート界で熱い視線が注がれる若手画家・友沢こたおさん。現役藝大院生である彼女による、大規模な新作展覧会「Kotao Tomozawa Solo Exhibition “SPIRALE”」が渋谷PARCO4FのPARCO MUSEUM TOKYOにて9月16日(金)より開催される。中学生の頃からアートと刺激を求めて渋谷PARCOに足を延ばしていた彼女が、新しい感性を探して「GUCCI」へショップクルーズ。そこで出合ったのは、「adidas × Gucci」という2つのブランドの融合と増幅から生まれる新しい価値観――。
- Photo
- Kyohei Hattori
- Text
- Hisako Yamazaki
- Edit
- RIDE MEDIA&DESIGN inc.
「adidas × Gucci」 異なるコードの融合が生み出した
サルトリアル ストリートウェア
2022年2月、2年ぶりにミラノで “Exquisite”コレクションのファッションショーを開催した「GUCCI」。コレクションのハイライトとなったのは、「adidas × Gucci」のコラボレーションだ。コレクションでは、両ブランドのヘリテージをコード化したスリーストライプスをクリエイティブの核に、多彩なアイテムを展開。コラボレーション発表の場となったファッションショーでは、ランウェイを取り囲むミラーに、サルトリアル ストリートウェアに取り入れられたスリーストライプスが増幅・変容して映し出された。友沢こたおさんが纏ったVネックの赤いロングドレスは、1993年にマドンナが映画『めぐり逢えたら』のプレミア上映会でアイコニックな赤いドレスを着た姿から着想を得て、現代的に再解釈した一着。「最初、自分が着こなせるか不安だったんですけれども…着てみたら、自分が最強になった感じがしました。すごく『GUCCI』だし、すごく『adidas』という。その衝突点がなんだかとても新しいからキュンとします。やっぱり⼼惹かれますよね」と友沢こたおさん。
DRESS ¥330,000アレッサンドロ・ミケーレの美学が息づく
エクスクルーシブなショップ
渋谷公園通りに面する、グッチ渋谷パルコの店内に一歩入ると、独創的かつ流動的でダイナミックさが入り混じったようなファンタジックな「GUCCI」の世界観に魅了される。ネオンライトやミラー張りの天井、日本画からインスピレーションを得たカーテンなど…ショップデザインは、クリエイティブな街・渋谷のスピリットを取り入れたストリート感と「GUCCI」のコレクションが織りなすエレガントな折衷主義を融合し、訪れる人たちが常に思いがけない“サプライズ”に出合える場所に。また店内は、メンズ・ウィメンズの境界線を分けることなくコンテンポラリーでミックス感のあるアイテムをディスプレイしている。
絶えず発展を続けるスタイル――
GUCCIの概念を象徴するアクセサリー
「adidas × Gucci」ではバッグ、シューズ、ハット、ジュエリー、スカーフなど、コラボレーションによるアクセサリーも豊富に展開。なかでも、アディダス オリジナルスの人気スニーカー Gazelleに「GUCCI」独自のアレンジを加えたシューズに注目したい。友沢こたおさんが履いているウェッジソールスニーカー(6cm)にも象徴的なスリーストライプスが施され、シック×アスレティックな要素が掛け合わされ、抜群の履き心地でウエアラブルでありながら、ドレスにも合わせられる一足となっている。肩にかけたミニサイズのハンドバッグは、1991年に発表されたバンブー ハンドルのトートバッグに新たな解釈を加えた〔グッチ ダイアナ〕。ハンドルの形状をキープするためのバンドから着想を得た取り外し可能なレッドカラーのレザーベルトがデザインに取り入れられ、アップデートされている。
(左)GUCCI DIANA MINI TOTEBAG ¥396,000、SHOES ¥126,500(右)EAR ACCESSORY (Large / Two pairs) ¥126,500、EAR ACCESSORY (Small / Single) ¥50,600
「頭の中の世界っていうのは
たぶん“本当”なんだと思うんです」
スライムのようなヌメヌメとした物質で独特な人間像を表現し、注目を集める若手画家・友沢こたおさん。世界中から認められ、熱い眼差しが向けられる彼女がこれから挑戦してみたい表現について訊いてみた。
「これまでは結構、実際に“そこにあるもの”をシンプルに描くことで滲み出るものを表現しようとしていたのですが、あえて今は、かなりイマジネーションを使っている感じになっています。昔は全部、『この世は嘘だ』みたいな考え方をしていたけれど、なんか最近は『嘘も本当なのではないか』と…。頭の中の世界っていうのは、たぶん“本当”なんだと思うんです。だから、もっと突発的に出てくる何か…そういったところにも、ちょっとフォーカスしたいなと思っています。何かと組み合わせた映像作品とか、不規則な前後のぶつかりから出る――そう、まさに『GUCCI』と『adidas』みたいにぶつかり合いをさせてみる。絵でも映像でもいいんですけど、そういうのをやってみたいですね」
- ショップ名
- GUCCI
- フロア
- 1F
- 電話番号
- 0120-99-2177
- 公式ブランドサイト
- https://www.gucci.com/jp/ja/
- 公式SNS
- Instagram(@gucci)
Twitter(@gucci_jp)
友沢こたお
1999年フランス・ボルドー生まれ。5歳までパリで過ごす。2018年、東京藝術大学 美術学部絵画学科油絵専攻へ入学。2019年、久米桂一郎賞を受賞、2021年度上野芸友賞受賞し、注目を集める。主な個展に「caché」(東京・大阪 2021年)、「Pomme d’amour」(東京 2020年)、「Monochrome」(東京 2022年)グループ展に「Z_01」、「Everything but…」(ともに東京 2021年)などがある。現在、東京藝術大学大学院美術研究科在学中。
Instagram(@tkotao @chan_kotao)