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Interview 箭内道彦×マンボウやしろ×片平里菜×高橋優|「風とロックで みんな笑ってる」

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Interview 箭内道彦×マンボウやしろ×片平里菜×高橋優|「風とロックで みんな笑ってる」
Interview 箭内道彦×マンボウやしろ×片平里菜×高橋優|「風とロックで みんな笑ってる」
高橋優さん撮影

やしろ:『ラジオ風とロック』をやっているとき、箭内さんが50歳になる直前に逆上がりをやるって言ってたの。

箭内:桃井かおりさんが50歳で逆上がりができたって。でも俺は逆上がりができないから、50歳になったら逆上がりかなって話していて。

やしろ:初めは、40代のうちにやれたらなって話してたんですよ。箭内さんが40代のうちに、なんとか逆上がりがやれたってことにできたら面白いなって。だけど、だんだん50歳の誕生日が近づくにつれて、「これは違う、40代で逆上がりができたら50代で新しいことは何もない」「50代になって初めて逆上がりができた方が50代が楽しそう」って言ってて。結局やりました?

箭内:一時期から2人の間で溝ができたのは、そこなんですよ。

やしろ:(笑)。

箭内:箭内さんはちゃんと逆上がりにチャレンジするんだろうなってワクワクしてたわけ。結局俺やらなくて、逃げて。いや、できないもん、わかんない。

やしろ:(笑)。

箭内:逆上がりができない代わりに何かができているって思いたいんだよね。逆上がりができたらつまらなくなりそうな気持ちに急になっちゃって。それを見たマンボウが俺に失望したわけ。箭内さん逃げたって。それで番組から去って行ったわけよ。

高橋:それが理由で?

箭内・やしろ:そう。

片平:ほんと?

やしろ:いやいやそんな…

箭内・やしろ:(笑)。

箭内:でも俺はそのぐらい受け止めていたわけ。俺がマンボウを傷つけたなと。

片平:めっちゃ仲良し。

箭内:それから少ししたら『Skyrocket Company』という派手な仕事が始まって。今が幸せならいいやって。

やしろ:ありがとうございます(笑)。

片平:いい関係。

高橋:2人の決裂にはそんな話があったんですね。

箭内:あれはすごく自分の中に残っていて。死ぬときに一週間ぐらい時間があったら思い出すことの一つ。マンボウを裏切ったと思って。

やしろ:僕は『風とロック』で遅刻したり、あと里菜さまは知ってるかな?優くんは知ってると思うけど、僕の前の一つ前の作家さんが山本(佳宏)さんで、山本さんが作家さんとしてキッチリしていて。僕はちゃんと作家業をやる前だったから、なんちゃって作家で入ってたの。

箭内:段ボールに油性マジックで台本書いたりしてたもんね。

やしろ:書いてました。いろいろ僕も拙いところが多すぎて、箭内さんに迷惑をかけてるんじゃないかとか、苦しくなってきちゃって。

箭内:全然そんなことない。

やしろ:それで2年ぐらいやって、すいません、やめますって言ったんだよね。

高橋:それがマジな理由?

箭内:そう、マジな理由。あのとき、結構落ちたもん。

高橋:箭内さんとしては、まだまだ一緒にやりたかったんですね。

箭内:まだまだ続くと思っていた俺が間違っていたみたいな。でもさ、今回11日間展覧会があって、毎日トークイベントがあって、マンボウを呼ぼうと思っていて。そこで、マンボウやしろと俺の『ラジオ風とロック』の名場面集を編集してもらって、かけようかなって。家に電話して起きた瞬間の声とか、めちゃくちゃいいのよ。

やしろ:聞きたくないな、本当にすみませんしかない。

箭内:俺は、ああいうのは楽しくてしょうがないんだよ。

高橋優さん撮影

――すいません、召し上がりながらでいいんですけど、展覧会の話をしてほしくて。
マンボウさん、今回の展覧会の話を箭内さんに聞いてもらっていいですか?

箭内:そういうところから書いておくと面白いね。展覧会の話をしてくださいって言われて。

やしろ:してくださいと言われて、僕が定型文で話していく。

箭内:まずは、今回のタイトルが『風とロックでみんな笑ってる』、いいでしょ?いいタイトル。宮藤官九郎さんが作ってくれた『風とロック』の主題歌のサビの一番最後の一行なんだよね。本当に僕が理想とする形だなと思って、宮藤さんに「風とロックの本質ですよ」って言ったら、あははって笑って「サザエさんのパロディです」って言われて(笑)。

やしろ:(笑)。

箭内:宮藤さんってそういうの照れもあって、そうなんですって言わない人なんですよね。それこそ、『福笑い』が生まれたのもこの場所だし、みんなの笑顔の写真だけが会場を埋めてる感じにしたくて、世界の平和につながればいいなっていう展覧会なんですよ。だから、回顧展であったりとか、今までやってきたことの自慢や振り返りではなくて、こういう笑顔が今必要なんじゃないですかって、記念展というよりは企画展なんですよ。

やしろ:今一番大事な何かをやるっていう。

箭内:そう、それが笑うことだなって。高橋が『福笑い』のみならず、ベストアルバムの『笑う約束』とか、ずっと『笑う』ということを言っていて、そういう同士ではあるし、そこですね。なので最高の笑顔を(カメラ目線)。

やしろ:笑顔苦手なんですよ。

箭内:80代の大先輩が、展覧会ってみんな自慢しているみたいでかっこ悪いって教えてくれたことがあって。まあ確かに自慢ってかっこ悪いなって思う。でも、こんな人たちがこんな笑顔を見せてくれたんだよって、そこは自慢してもいいよね。謙遜しなくていいとこだなって思うし、そういう展覧会なんですよね。振り返ってみると、みんな笑っていて、『風とロック芋煮会』もそうだし、『月刊 風とロック』もそうだし。『月刊 風とロック』の高橋の号とか表紙でむっちゃ笑っているわけ。里菜ちゃんが表紙の号は、打席に入っているときの横顔(笑)、すごい真剣で全然笑ってない。

やしろ:でも、『風とロック』って、表紙は別にしても、ふたをあけたらみなさんが素の状態で笑っている写真が必ず入っているイメージがある。振り返って笑ってたりとか。めっちゃ笑顔。

箭内:そうなんだよ。いろいろな事務所の人に言われたのが、『風とロック』だからOKしたんですよって、勘違いしないでくださいと言われて。

やしろ:くぎを刺されて。今回だけですよって。

箭内:他の雑誌のメディアから事務所にクレームが来るんだって。俺の写真はNGなのに、何で『風とロック』はいいんですかって。それで、あるマネージャーさんは『風とロック』だからですって言ってくれて。それはすごくうれしいし、ありがたいと思いますね。

高橋:箭内さん自身の笑っている写真はどこかにでることありますか?

箭内:いや、パブリックイメージとして不機嫌な感じだったりね。

やしろ:不機嫌な感じはあるかなー。

片平:そうかな、まったくない。

高橋:箭内さんが写真に写っているときって、いつも眉間にシワを寄せて写っているイメージ。

箭内:テレビにたくさん出るようになる前、雑誌に結構でている頃は、初めて会った人はがっかりしたもんね。もっと俺を否定してくれる箭内さんを想像していましたって。

やしろ:そっちのがっかりか。

高橋:魂のぶつかり合いみたいな。

箭内:会うと、「どーもー」なんてやってるからね。

やしろ:厳しくねえじゃないかって。

箭内:今日も俳優の岡本天音さんと話していたんだけど、『風とロック』っていう会社を作ったときに、L’Arc-en-Cielを当時担当していた中山道彦さんから、「すごい名前だね、本当にロックな人は自分でロックって絶対に言わないよ、これはフォークだね」って言われて。それにすごく納得したんだよね。確かにロックな人は自分のことをロックだとあまり言わないなって。怒髪天が、「ロックでないやつはろくでなし」って言うけど、怒髪天もロックではないもんね。ロックであろうとする姿勢というか。逆に、さだまさしさんはロックだと思うし、高橋も片平里菜ちゃんもロックだと思うよね。「シェキナベイベー」とは言ってないけど。

高橋:シェキナベイベーって言えばロックなんですか?

やしろ:ほぼ固有名詞ですけど(笑)。

箭内:あの人もロックじゃないわけですよ。

やしろ:ある意味じゃそうですね。なるほど。

箭内:樹木希林さんの方がずっとロックだなって。ロックって言葉って、ロックじゃない人が背伸びをするときのおまじないやお守りなんじゃないかなって思うんですけどね。正直に言うと、俺は全然ロックじゃないもんね。本当にフォークですよ。一回、『風とフォーク』っていうコンピレーションアルバムをプロデュースしたことがあるけど、そっちの方がしっくりくるね。

やしろ:ロックが何かわからないですけど、地震がありました、何の担保もないのに銀行に一億円貸せって言いに行ったのはロックだと思いますけど。

箭内:言いに行ったことを人に話してるから、もう駄目だよ。

やしろ:僕はこれを銀行員に聞きました。

箭内:うそだ(笑)。展覧会の話に戻します(笑)。

箭内:展覧会のことはまだあまり決まってなくて。

やしろ:期間は?

箭内:うまい、『Skyrocket Company』で大人になりましたね。

やしろ:大人になったと思いますけど。

箭内:期間は4月28日(金)〜5月8日(月)です。

やしろ:ゴールデンウィークの一番いいところだ。ゴールデンウィーク仕事の人も来られる期間ですね。

箭内:何かしら来られる期間で、時間帯も午前11時から夜の9時までやってます。そんな人もCHAOS KITCHENでおいしいご飯を食べて帰ってもらったり。

やしろ:さっきも歩いていて、おいしそうな店が多いですね。

箭内:お酒もご飯もおいしそう。

やしろ:いろいろな人が毎日日替わりでゲストで来るんですか?ブッキングも終わってるんですか?

箭内:毎日日替わりで来るよ。ブッキングは今日から始めた。

やしろ:今日から?

高橋:さっき、やしろさんも出るって話してましたよね。そこは決定?

箭内:高橋とかマンボウは普通にそりゃ来るでしょみたいな。でも今日はオダギリジョーさん来るって決まったよ。ビールを用意してくれるなら行くよって。

やしろ:対談しているのが開催一か月少し前ぐらい、タイミング的に少し遅いっちゃ遅いタイミングじゃないですか。それでもオダギリさんが来るってのは、さっき言ってた、やっぱり『風とロック』だからかなって。

箭内:ああ、仕事じゃないからってね。

やしろ:人間だものじゃないけど、それが答えというか。

高橋:当たり前ですけど、箭内さんはずっといる?

箭内:僕はその人と対談するので、常にいる。

高橋:一日ひとりと対談するんですか?

箭内:いや、うまくはまらないこともあると思うから、1日3人とかもあるのかなって。そうすると、抜けてる真空のところに入れないといけないので。今朝里菜ちゃんに連絡したみたいに、明日の昼来れるみたいな。

やしろ:直接オファーが。

片平:ショートメールで。

箭内:あと、グッズを売ろうと思うんですけど、高橋も里菜ちゃんもグッズ作ってるじゃない。本とかいろいろ。先輩方に聞きたいんですけど、グッズは今何を作ればいいの?来た思い出に買って帰っていただくという意味で。

高橋:箭内さんのアクリルスタンド。

やしろ:オフィスのPCの横に箭内さんを置けるっていう。

箭内:あとは展示会で何をやって欲しいですか?まだ何も決めていないので。あれは展示した方がいいよとか。高橋の『こどものうた』は風とロックの名作だから、あのミュージックビデオを出した方がいいよとか。『月刊 風とロック』じゃないところでね。

やしろ:箭内さんに、私すごいかわいいから『風とロック』みたいに表紙を飾りたい、じゃなくて、私の彼氏かっこいいから表紙をしてほしいとか、他薦的にこいつ表紙飾れるぜって公開撮影会をやってほしいです。私の一番好きな人を撮ってみたいな。

箭内:いいかも。『好き』っていうのが一つのテーマですよね。

高橋:入場料はあるんですか?

箭内:悩んだんだけど、本当にお金が足りなくて、500円の入場料をいただくことにした。0円の『月刊 風とロック』なのに、何で入場料が500円かって、炎上しないかな。

高橋:炎上はしないと思います。

やしろ:逆に『風とロック』を今まで手に入れ続けてきた人たちは、もらいに行くために電車とかには乗るにしろ、それでも物はタダなんだって。ゲスな言い方しますけど。それじゃ、500円返すよって気持ちで逆に相性いいかなと思います。いままでタダの『風とロック』に対しての今回500円もらうんですが、タダで配ってきたからこそいい気がしますけどね。今こそみんなで払うぞみたいな。

高橋:逆に、来てくれた人たちの自撮りとか、何かを貼るというのはどうですか?『風とロック』は常に対等でやってきてるし、箭内さんもロックに憧れている側の人だというさっきの話からするなれば、同じく『風とロック』に憧れて来た人たちも載ってしかるべきだと。今までたまたま会ってなかっただけで、会ってたら箭内さんが写真を撮ってたかもしれないじゃないですか。だから、自撮り撮ってきて笑顔を貼る。

箭内:それいいね。原寸大の顔ハメパネルを作って、『風とロック』って書いてあって、写真が撮れるとかね。採用。

高橋:やった!

片平:ここで決まっていくんですね(笑)。

高橋優さん撮影
開催期間
2023年4月28日(金)〜 5月8日(月) 11:00-21:00
※入場は閉場時間の30分前まで
※最終日は18:00閉場
※営業日時は感染症拡大防止の観点から変更となる場合がございます。
会場
PARCO MUSEUM TOKYO
入場料
¥500
※小学生未満無料 ※株主優待含む割引対象外
主催/企画制作
PARCO/風とロック
公式SNS
Instagram(@kazetorock_20) Twitter(@kazetorock_20)
ショップ名
ヴィーガン居酒屋「真さか」
フロア
B1F
公式SNS
Instagram(@vegan_izakaya_masaka
ショップ名
立飲みビールボーイ
フロア
B1F
公式サイト
https://www.craftbeermarket.jp/
公式SNS
Instagram(@beerboy.parco
ショップ名
Good Luck Curry
フロア
B1F
公式SNS
Instagram(@goodluckcurry

箭内道彦

1964年福島県郡山市生まれ。クリエイティブディレクター。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」、PARCO「SPECIAL IN YOU.」など話題の広告を数多く手掛ける。若者から絶大な人気を得るフリーペーパー「月刊 風とロック(定価0円)」発行人・編集長、東京藝術大学 学長特命・美術学部デザイン科教授。2011年大晦日の紅白歌合戦に出場したロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリストでもある。

マンボウやしろ

1976年7月19日生まれ、千葉県出身。ラジオパーソナリティ、タレント、演出家、脚本家など、様々なジャンルで活躍。メインパーソナリティを務める、東京FMにて放送中の『スカイロケットカンパニー』は10年目を迎えた。おもな脚本作品に、『量産型リコ』、『お耳にあいましたら。』、『絶メシロード』(テレビ東京系)、『ひともんちゃくなら喜んで』(ABC朝日放送)など。
Instagram(@manbouyashirohiroyuki

片平里菜

1992年福島県福島市生まれ シンガーソングライター。高校3年生から地元のライブハウスで音楽活動を開始し、「閃光ライオット 2011」にて1万組の中から 審査員特別賞を受賞。2013年8月「夏の夜」でメジャーデビュー。これまでに8枚のシングル、1枚のミニアルバム、4枚のアルバムを発表した。シンガーソングライターとして唯一無二の存在感を評価され、全国各地のイベントやフェスにも参戦 2018 年に独立、個人事務所【BUCHI.】を設立。2022年8月7日にはデビュー9周年を記念して故郷でもある福島の猪苗代野外音楽堂にて 主催イベントを開催。10周年に向けて最多公演となるツアー“片平里菜 感謝巡礼ツアー COUNTRY ROADS 2022-2023” を敢行する。(全国42箇所公演)
Instagram(@katarina_81

高橋優

1983年12月26日生まれ。秋田県横手市出身。札幌の大学への進学と同時に路上での弾き語りを開始。2008年に上京し、活動拠点を東京に移す。2010年、シングル「素晴らしき日常」でメジャーデビュー。「福笑い」「太陽と花」「明日はきっといい日になる」等、ラジオ、配信等のヒットチャートを賑わせ、J-POPシーン期待のシンガー・ソングライターとして脚光を浴びる。日々楽曲制作を続けると共に、インディーズ時代から留まることなく精力的にライブ活動を行っている。2022年10月5日に8th ALBUM「ReLOVE & RePEACE」をリリース。現在アルバムを携えて『ReUNION=再会』をテーマとした全国ツアー、高橋優 LIVE TOUR 2022-2023「ReLOVE & RePEACE ~ReUNION~」を開催中。
Instagram(@takahashiyu_official1226

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