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Interview 伊藤まさこ(スタイリスト)×糸井重里(ほぼ日代表)|ほぼ日曜日「まさこ百景」

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Interview 伊藤まさこ(スタイリスト)×糸井重里(ほぼ日代表)|ほぼ日曜日「まさこ百景」
Interview 伊藤まさこ(スタイリスト)×糸井重里(ほぼ日代表)|ほぼ日曜日「まさこ百景」

愛するものが身近にある、その景色を眺める幸福——。8月6日〜22日まで渋谷PARCO8F「ほぼ日曜日」で開催されるCONVERSE ALL STAR 100×weeksdaysコラボレーション記念特別企画展『まさこ百景』。数多くの雑誌や書籍に携わり、「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」内のウェブコンテンツ&ショップ「weeksdays」のプロデューサーとして、いくつもの“こんなものがあったらいいのに”を世に送り出してきたスタイリスト・伊藤まさこの日常を彩る100のアイテムを集めた展覧会。コロナ禍を経て、ものの価値は、そして私たちの暮らし方はどう変わるのか。開催を間近にひかえる伊藤氏と、ほぼ日代表糸井重里氏が語り合った。

Photo
Sachiko Saito
Text
Michiko Otani
Edit
RIDE MEDIA&DESIGN inc.

——直接お会いになるのは、久しぶりですか?

糸井重里(以下、糸井)「そうですね。でも、「weeksdays」はいつも見ているし、うちの奥さん(俳優・樋口可南子さん)も、何だかいろいろ買ってますよ」

伊藤まさこ(以下、伊藤)「ありがとうございます。樋口さんはお得意様で、ありがたいです。私も糸井さんの「ほぼ日」のコラム、毎日読んでますよ。だから、こうして会わない期間があっても、あんまりブランクを感じなくて」

糸井「ああ、それはそうだよね。毎日、呼吸するように、自然に接しているから」

——日常を彩る100のアイテムに触れられる展覧会「まさこ百景」。そもそも、どのように企画されたのでしょうか。

伊藤「weeksdaysでコンバースとコラボレーションをすることになって、それを盛り上げようといろんな企画を考えていたんです。コンバースの歴史を振り返るとか、歴史的な品を集めてミュージアムにしようとか……。でも、いろいろ雑談をしているうちに、『好きなものを集めた展覧会をしたらおもしろいんじゃないかな』という話になって。それで、書籍『まさこ百景』(本展示のカタログ。8月6日よりweeksdaysで先行販売)まで作りはじめたら、経緯をすっかり忘れてしまいました(笑)。そうか、「百景」の百は、オールスター生誕100周年の100だったんだ」

糸井「まさこ百景」ってタイトル、太宰治みたいだね(笑)」

伊藤「weeksdaysのメンバーの提案です。自分じゃ絶対につけられません(笑)」

『まさこ百景』¥1,980(税込)。会場にて先行販売。

百景の「景」は、景色の景ですよね。

伊藤「最初は、家にものがある景色を切り取ろうというコンセプトを担当のデザイナーさんが言い出して、チームの皆で盛り上がったんです。でも、私は逆に『ものに寄ったほうがよくない?』と。スタイリストって、物理的に何かを揃えるというよりも、そこに景色を作るのが仕事のような気がしているんですよね。ものを撮りましょうというときも、写ってはいないけれど、ものの後ろにそよぐカーテンまで想像できる……そんなところまで作り込むのが仕事だと思っていて。今回の展覧会や本では、あえてその気配はなくしたんですが」

糸井「ものがあればそれが景色になる、ということ?」

伊藤「はい。そこから先は、見た人、読んだ人が想像してほしいなと」

景色を作る要因って、何なんでしょう? ものそのもの、あるいは、ものを手に入れるまでのストーリーに由来するとか。

伊藤「やっぱり、質感とか……かなぁ」

糸井「僕は、そのものが置かれた環境も含めて、ものだと思うんですよ。たとえば、僕とまさこさんがいるときは、僕もまさこさんだし、まさこさんも僕。互いに巻き込まれていくものだし、まさこさんがいると、その空気もまさこさん自体になるというか……。atmosphere(=雰囲気)という言葉もよく使われるけど、何というか、持っている人の影響する範囲全部を見ましょうよ、っていう。それが景色なのかな? 骨董の世界の人も、よく『景色が』というけど、あれは逆に、小さなものの中に大きな世界を見つけようとしていますよね」

伊藤「そうですね。お茶碗ひとつを持てばそれで終わりじゃなくて、それなりの身支度とか、お茶室とか、お茶室から見える庭の風景とかが全部、お茶碗に含まれていて」

糸井「すごい妄想力だよね(笑)」

伊藤「フフフ。でも、私にとっても、お茶碗は単にお茶を飲むための道具というだけじゃないんです。一個一個、これは握り具合がいいとか、テーブルに置いたときに立てる音がいいとか、いろいろあって……。美点も欠点も含めて好きなものを、今回の展覧会と本ではご紹介しています。もちろん、『weeksdays』の商品も。欲しいものを作れる機会を、私はほぼ日から与えてもらったんですよね」

「weeksdays」がスタートして、ちょうど2年。着るもの、身につけるもの、暮らしの道具など、さまざまなものを作ってこられました。

糸井「思い通りに作れるようになりました?」

伊藤「なりましたねぇ。もちろん、ボツの数も多いですけど」

糸井「『作ってみたけど、これじゃなかった』みたいな?」

伊藤「うーん、『これはもしかしたら売れるかもしれないけど、しっくりこないな』というか。そのあたりの、合う・合わないの感覚は、皆で大事にしています。私はものに価値を求めないほうで、たとえば『これは何年代に作られたもので……』といったことは、まったく大事じゃないんです」

糸井「そういう情報は、所詮、他人のものだからね」

伊藤「そうですね。結局、使うのは自分なので。でも、私が好き嫌いがはっきりしすぎているので、私がいまいちでもチームの皆がいいと言うのなら、許容範囲の幅をもう少し広げてもいいのかな? と思うときはあります。やっぱり、売り上げあってこそお店だし。でも、そう言うと、皆から『じゃあやめましょう』って言われる」

糸井「皆の意見は、たぶんもう伊藤さんの中に入ってるんですよ。対立するんじゃなくて、お互いの意見を吸い込んでまた出すというやりとりが、きっとできていて。ただ、考えなしにやっちゃうのは、嫌だよね。うちも、そういうところはなるべく厳しくしています」

作るか、作らないか。判断に迷ったときは、どうやって答えを出しますか?

伊藤「たとえば、『グラスはこの高さでいいのか』とか、一個のもののことをずっと考えていると、だんだんわからなくなってくるんですよね。で、家に持って帰って、娘に『ママ、こういうふうになっていたら、私も欲しいな』と言われたりすると、『そっかー!』って。私の思考は夜中に書いたラブレターみたいになっていても、彼女はまっさらな状態で評価してくれますから」

糸井「なるほど。あと、会議だと、Aの意見とBの意見が出ると、2つをぶつけてよりよいCを作り出しましょうみたいなことになるじゃないですか。僕、あれがあんまり好きじゃないんですよね。ぶつけるともっといいものが生まれるっていうのは、つまりは粗雑な弁証法であって」

伊藤「そうですね。対立するとお互い、どうしても声を張りがちになります」

糸井「お相撲さんだったら、ぶつかり合うのが仕事だけどね。向かい合ってぶつかるじゃなくて、ベンチに座るみたいに横並びに座って『何がしたいんだっけ?』という話がしたいんですよ。以前、会社名を“ベンチ”にしようとしたこともあるくらい」

伊藤「へぇー!」

糸井「結婚式のスピーチでも、定番じゃないですか。『2人に必要なのは見つめ合うことではなく、同じ方向を見つめて生きていくこと、それが結婚でございます』みたいな(笑)。AでもBでも、本当はどっちでもいいんですよ。もっと言えば、誰が言い出したかもどうでもいい。答えは、場が生み出すものだから。そういう場を作りましょうっていうときにも、景色という言葉は、案外、使い勝手がいいのかもしれないね」

——一方、折からのコロナ禍で、世の中の景色はずいぶん変わったように思えます。日常に変化はありましたか?

伊藤「最初に気づいたのは、『うちって、こんなに鳥の声が聞こえたんだ』ということ。春だったせいもあるかもしれませんが、家にいる時間がそんなに長くなかったので、外の音に耳を澄ましたことがなかったんですよね。あとはやっぱり、家の中をより整えるようになりました。気持ちよくいられるように。そういえば、私、スリッパを捨てちゃったんです」

糸井「捨てたの? 全部?」

伊藤「はい。10足くらいあったんですけど、そろそろ変えたいなぁと思っていたこともあって、お客さんも来ないことだし、いいや捨てちゃえ!って。そうしたら、皆にすごく驚かれました(笑)」

糸井「まさこさんのこういうセンス、本当にいいよね」

伊藤「思い切りが、じゃなくて?」

糸井「はい。それって、スリッパだけじゃなくて、もっと遠くを見つめてるってことだと思うんです。人が集まらない景色の中のスリッパを見ているから、思い切った答えが出せる、それがセンス。あと、変えたいと思っていたっていうことは、スリッパについて捨てる前までにいっぱい考えていて、つまり助走をしてたってことでもあるよね。だから捨てられたんですよ。ぜんぜん考えていなかったら、無視していたと思う」

伊藤「それはそうかも……。あとは、家の周りにいろんなものがあるんだなってことを、再発見しました。今まで目に留まらなかったけど行ってみたらおいしい店だったとか、いい公園があることとか。朝、散歩をしていて、ああ、何で遠くにばかり行ってたんだろう、って思いましたね。歩いて行ける距離でぜんぜん十分だったんじゃないかって」

糸井「その都度その都度、そこで満足することができるんですね」

伊藤「なんか、すっごくおめでたい感じ(笑)。でも、今はまた、あちこち行きたいなって、少しずつ思い始めていますけど。人にも会いたいし」

糸井「集まりたいよね。人が集まるっていうのは、長い間、いいことだって肯定されてきたんですよ。僕らもこれまで、いっぱい人を集めようとして、それが励みになっていた。それが、この状況で禁じられたでしょう? どれだけ悲しいだろうかと想像していたんだけど、いざ始まってみたら、それに慣れちゃう人がいることがわかって、僕はそれが怖かった。『集まらなくていいからラクだよね』というような意見も聞こえてきたりして」

伊藤「うーん」

糸井「あんなに皆で集まりたいって言っていたのに、コロッと変わった。僕は、今でも集まることを求めて、我慢してますよ。今の状態のほうがいいと思ったことは、一度もない」

——人と会えない、集まれないことは、日常をどんなふうに変えましたか。

伊藤「『weeksdays』の週一のミーティングも、ずっとリモートでやっていたんですけど、緊急事態宣言が明けて久々に会ったとき、やっぱりぜんぜん違う!と思いました。雑談のそれ方とか、それた先で面白いアイデアがいっぱい生まれることとか……。リモートは便利でしたけど、用件を伝えたら『はい終わり』だったんですよね」

糸井「効率はいいよね。だけど……」

伊藤「私の仕事って、効率よりも、どちらかというと寄り道からできあがっていくようなものなので。やっぱりあんまり向いてないなぁ、って」

糸井「今の時代、会社も組織も、自分が休んでも仕事が回るようにという方針ですよね。でも、自分がいなくてもいいという状態が現実になると、皆、寂しいんですよ」

伊藤「確かに」

糸井「僕なんかは、年齢的に、そろそろ仕事をやめる準備をしていて、やめても会社が回っていくために今、努力しているところがある。でも、それにしたって、ピタッと途切れるものではなくて。それなのに、『君、今日からいらないよ』って言われたら……。どんどん休みなさいって言うのは、本当は怖いよね。それに皆が慣れかけているのが、僕は嫌ですね。『街も、このくらい空いてるのがいいんじゃないですか? 前からそう思ってましたけど』って言う人がいるけど、嘘だろ!って思う(笑)」

——「ものも、実はこんなに要らなかったんじゃないか」という声も、よく聞かれました。

伊藤「そうですか? 私、自粛期間もバンバン買い物してましたよ。ネットショッピングとか、お取り寄せとか。今まであんまりしたことがなかったんですけど、便利だなぁって」

糸井「僕も同じ。でも、『何だかわからないけど、いいな』っていうものを探しに行くのは、やっぱり店なんだよね。実際に見たら思っていたのと違ったっていうことは、よくあるので」

伊藤「やっぱり、生きている私たちが使うものだから、確かめないと……」

糸井「たとえば、この『まさこ百景』(書籍)に載っているもののほとんどが、僕にはいらないものじゃない?」

伊藤「そんなことないですよ!(笑)」

糸井「でも、ひとつひとつのものを見ているだけでも、楽しいんですよ。たとえそれを買わなくてもね」

伊藤「そうなんですよね。『買ってください』っていう本じゃなくて、私が勝手に『好きです』って言っているだけの本だし、展覧会なので」

糸井「人が何を楽しんでいるかっていうのを、見たり読んだりするのは楽しい。だから、あの歌詞は本当にいい歌詞ですよね。《一番楽しいことは/あなたの口から あなたの夢 きくこと》って」(矢野顕子「ひとつだけ」より)

伊藤「いいですよね。私は、聞くより自分の口から自分の夢を言っちゃうタイプかもしれません(笑)」

——展覧会では、愛用品の一部を販売もされるんですね。

伊藤「はい。『これが好き」』とかさんざん書いているくせに、『もういいや』って(笑)」

糸井「嫁に出す、みたいな感じ?」

伊藤「ちょっと願掛けの意味もあったりするんです。展示するものの中には海外で買ったものもあるんですけど、今、海外に行けないじゃないですか。でも、手放したら、いつか次のものを探しに行けるようになるかなって」

糸井「へぇーっ」

伊藤「ものは好きですけど、あんまり執着はしないですね。なくなったらなくなったで、まあいいやと思えるし、こうして本になって残りもするので」

糸井「まさこさん、『絶対に欲しい』っていう言葉、使ったことある?」

伊藤「うーん……ない、かなぁ? 手に入らなかったら、そのものとはご縁がなかったと思うし。あと、ちょっと違うんですけど、男の人に別れを切り出したとき、『一生大好きって言ったよね?』とか言う人がときどきいるじゃないですか。でも、『そのときは本当にそう思ったけど、今は違う』っていけしゃあしゃあと言えるところは、あります(笑)」

糸井「これが、生きてるってことだよね。代謝しているわけでしょう? いつ手放してもいいと思っているから、その都度、満足するものにスッと手を出せる。100万回離婚できる人ですよ、まさこさんは(笑)」

伊藤「100万回離婚するのはいいですけど、そのためには100万回結婚しないといけないから、それは面倒くさい……って、ちょっと、この展開は嫌だなぁ(笑)」

——お2人は、もの選びに「正解」はあると思われますか?

糸井「正解が欲しいと思っている人は、すごく多いでしょうね」

伊藤「無駄な買い物をしたくない、ってこと?」

糸井「迷って、間違える自分を否定したいんじゃないかな。そして、考えるのをやめたいと思ってる。正解なんかないんだよって言うと、『だったらいらない』って」

伊藤「そうかぁ……。でも、年をとったりしても、変わるじゃないですか。うちの母、ル・クルーゼの大きな鍋をずっと使っていたんですが、『重いからもういいわ』って。今は、私があげた打ち出しのアルミ鍋を使ってますけど、その様子を見ていても、正解ってないんだなぁと思う。そして、正解が、ずっと正解であり続けるわけじゃない」

糸井「ないですね。だから、『いちばん好きな食べ物は何?』って聞かれても、困っちゃう。『今日はピーマン』って言いたいときだってあるじゃないですか(笑)。ピーマンが、今の正解。そんなふうに、人生って、不変だと思っていたことが実はそうじゃなかったってことだらけなんです。それは、覚えておいたほうがいいと思う」

——変わり続ける世の中で、自分もまた不変ではない。とすると、今の自分が何を求めるかを見つめ、大事にすべきなんじゃないかと、お話を聞いていて感じました。

伊藤「そうですね」

糸井「まさこさんは皆とものづくりをしていても楽しいし、自分ひとりで家で本を読んだり映画を見たりしていても楽しいし、外国に行っても楽しい。何というか、距離がないんですよね。楽しいことに」

伊藤「はい。どこにいても、やることはぜんぜん、いろいろあって」

糸井「それはやっぱり、主観が鍛えられているからなんですよ。それしかないと思いますね、とくにこのごろは。自分の気持ちがイキイキできるかどうか、それを試されてる」

伊藤「ということで、糸井さんにこれを。コンバースの『weeksdays』コラボレーションモデル、第一号です」(手渡す)

糸井「おぉー。(箱を開けて)ああ、いいね」

伊藤「色はネイビー一色。トレードマークの星は外側にはついていないんですけど、中敷にロゴを入れてもらいました。これなら、大人も履けるんじゃないかなと思って」

糸井「かっこいい。靴って、既にいっぱいあるっていう前提で皆が買うものだから、さっきの話でいう『正解』がないほうがいいですね……これ、売れちゃうんじゃない?」

伊藤「売れてほしいです! 社運、じゃなくて、チーム運がかかっているので。会場でも販売しますが、来られない方はネットでも」

糸井「ネットで買っても、履いて出るのは外。だから、やっぱり外に支えられているんだよ、僕らは」

weeksdays ALL STAR 100 OX ¥9,900(税込)

——最後に、会場の渋谷PARCOとその周辺について。渋谷の景色も、やはり変わりましたか?

伊藤「糸井さんは、ずっと渋谷やPARCOには関わっているんですよね」

糸井「そうですね。渋谷西武B館にあったもののイメージがPARCOに移ってきて……。その頃からさんざんPARCOのことを考えたんで、自分の中ではひと周りしちゃったなぁ。ここへも、もうずいぶん来ていますよ。渋谷、確かに変わりましたね」

伊藤「私は以前、すぐ近くに住んでいて、今も歩いて来られるくらいの距離なんですけど、新しい渋谷PARCOにはじめて来たとき、『ここなら』っていう場所ができたなと感じました。ちゃんと、よそと違う感じ。だから、『ほぼ日』も出店されたんですよね(8階ギャラリー「ほぼ日曜日」・4階ショップ「ほぼ日カルチャん」)」

糸井「そうですね。今はファッションじゃないでしょっていう時期に、これだけファッションを集めてどうするの?って言われたでしょうけど、渋谷PARCOは主観がしっかりしている」

伊藤「周囲に聞いても、感想がはっきり割れるのが面白いなと思います。『すごく面白い!』っていう人と、『ちょっと……』っていう人と。娘は、地下の純喫茶『はまの屋』が夜になるとジェンダー、セクシュアリティフリーのバーになるところが最高!って言ってました。そういう、わざわざ行く意味のあるお店がたくさんあって」

糸井「そう、いろいろ考えて集めてる。すごいのは、すべての店の説明を、ひとりの責任者ができること。僕らのところにも、その方が来て声をかけてくださった。普通、なかなかないことですよ」

伊藤「参加するほうも、うれしいですよね」

糸井「でも今は、人の集まる場所という大きなコンセプト自体が揺るがされてるわけで……だから、あんまり拙速に結論は出さないほうがいいのかな。渋谷PARCOには根性があるし、粋を感じる。この状況を笑いながら思い出す日が、早く来てほしいよね」

伊藤「そうですね。『あったよね! 皆、マスクしててさぁ』って、笑い合いたいです」

展示名
『まさこ百景』
フロア
渋谷PARCO 8F
会期
8月6日(木)〜 2020年8月22日(土)
時間
11:00〜20:00
入場料
無料 ※混雑した場合は、入場時間指定の整理券をお配りいたします。

伊藤まさこ

スタイリスト。1970年生まれ。
料理や雑貨、テーブルまわりのスタイリストとして活躍する一方、食とかわいいもの、楽しいことを求めて日本や海外の各地を訪ねる。『そろそろ、からだにいいことを考えてみよう』『フルーツパトロール』『伊藤まさこの器えらび』『おいしい時間をあの人へ』など、著書多数。「ほぼ日刊イトイ新聞」で、2018年7月よりウェブコンテンツ&ショップ「weeksdays」をプロデュース。
Instagram(@masakoito29
https://www.1101.com/n/weeksdays/

糸井重里

「ほぼ日」代表。1948年生まれ。
「不思議、大好き。」「おいしい生活。」(西武百貨店)、「愛するひとは、あなたを愛してくれますか。」(PARCO)、「くうねるあそぶ。」(日産自動車)など、時代を象徴するキャッチコピーを生み出し、作詞家、エッセイスト、ゲーム制作など幅広く活躍。98年に開設したウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では、「読みもの」「お買いもの」を柱に、多彩なコンテンツを日々、世に送り出す。
Twitter(@itoi_shigesato
ほぼ日刊イトイ新聞

ショップ名
ほぼ日曜日
フロア
渋谷PARCO 8F
形態
イベントスペース
電話番号
03-5422-3466
公式サイト
https://www.1101.com/hobonichiyobi/
Instagram
@parco_hobonichi
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