コムアイ×VCM MARKET BOOTH／NORDISK CAMP SUPPLY STORE SHIBUYA｜サステナブルな選択肢がもたらす、人生の豊かさを知る

価値あるヴィンテージアイテムを
“ネクストラグジュアリー”として後世に残す

大量生産・大量破棄のこの時代に、「誰かが愛したモノに新たな価値をつけ、未来へ残していく」ことをコンセプトに、ヴィンテージに特化したECショッピングモールとしてサービスをスタートしたVintage Collection Mall（VCM）。2022年2月25日に初のリアル店舗「VCM MARKET BOOTH」を渋谷PARCO 4Fにオープンした。参加ショップは定期的に入れ替わりながら出店される仕組みで、現在はハイブランドのアーカイブを中心に展開する「Hedy」と「mood Tokyo vintage」の2店舗と、バイヤーによる厳選されたヴィンテージアイテムが豊富に揃う「H & JUMPIN’ JAP FLASH」、「dracaena」、「Gleeful」、「HOLIDAY WORKS」の計6店舗。古着を日常的に楽しむコムアイさんに、ヴィンテージの魅力を聞いてみた。「このショートジャケットみたいに、ベルベットに手縫いでひと針づつ丁寧に刺繍が施されているデザインは、現代の大量生産の服では考えられない繊細さ。合わせたブーツは舞台衣装だったそうで、アイテムの背景に宿った物語を知ることもまた楽しいです。面白いデザインやテキスタイルに出会えて、いつも新しい発見があります」

目指したのは“上書きしやすい快適さ”
予定調和ではない空間がここに

「VCM MARKET BOOTH」は表参道・原宿などの空きスペースをまるで“占領”するかのように出現し、期間限定で文化的コンテンツの発信を行うプロジェクト「SKWAT」とグラフィックデザイナー加瀬透氏との共同プロジェクト「4202122」第1弾。内装はこれまでの商業施設の空間デザインに希薄だった“上書きしやすい軽快さ”を徹底的に追求し、従来の商業施設が持つ囲みや壁を取り払った、まるで施工途中のような流動的で挑戦的なインテリアに。「スペースは変えずに、知恵を絞って工夫して、ガラッと違う場所に見せる。什器や資源を使って空間を作り上げるのではなく、再利用した資材を使ったり、グラフィックでまったく違う場所に見せている。すごく工夫されていて、面白いなと思いました」とコムアイさん。

古着とわたし、一対一の関係。
出会えた喜びは、まるで人生みたい

「古着屋さんで『この服、好き！』と思ったら、それを着てきた人たちのサークルに入るというか…連絡網に入ったみたいな感じで、面白いなって思うんです。同じ服を好きになった人という、狭く濃い共通点があるから、なんだか嬉しい気持ちに。また、古着屋さんには一つとして同じものがないから、洋服と自分が一対一の関係というか。私が選んだものと全く同じものを他の人が着ることはできない。そういう出会いが楽しいし、人生みたいだなって。『自分ってなんなんだろう？』とふと感じるタイミングが、人生であると思うんです。みんなが同じ教育を受けて、同じ環境で育って…私らしさが全然ないから、自分が時々わからなくなる。でも、もし世の中が1ピースずつ違うもので溢れていたら、そこまで不安にならないんじゃないかなって。大量生産、同じ規格のものが溢れていると、人間はそれを着ながら無意識に不安に思っている部分があるんじゃないかなと時々感じます。だから、『古着』というのは人間社会で生きていく中で一種の安心感という存在にまでなり得るんだと思っています」

クローゼットに仕舞い込んでいるよりも、
今必要な誰かに、どんどん着てもらいたい

「新しい服は、新しい“季節”を運んできてくれるような気持ちがあるのですが、それは必ずしも新しく作られた服である必要はない。新品の服にだけが、新鮮なマインドやトレンドをもたらすものではないと感じていて。ずっと昔から古着が好きなんですけれども、衣装などはそんなにたくさん着れずに手放したりすることが結構ある。だから、古着で買って、古着で市場に戻すようにしているんです。めちゃくちゃ可愛いものは、絶対誰かが買い取ってくれるから。自分のクローゼットに仕舞い込んでいるよりも、今、必要な誰かにどんどん着てもらうほうがいいなって思います。古着だけでガラッとクローゼットを入れ替えるのであれば、そこまで（地球環境に）負荷をかけていないですからね。だからこうやって、渋谷PARCOのようなショッピングする場所に古着の流通が交わっていくのは素晴らしい試みだなって思います」

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