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Interview ムロツヨシ×若葉竜也 吉村界人×栁俊太郎|映画『神は見返りを求める』

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Interview ムロツヨシ×若葉竜也 吉村界人×栁俊太郎|映画『神は見返りを求める』
Interview ムロツヨシ×若葉竜也 吉村界人×栁俊太郎|映画『神は見返りを求める』

『ヒメアノ~ル』『空白』で知られる映画監督・吉田恵輔。その最新作『神は見返りを求める』が、6月24日(金)に劇場公開を迎える。

本作は、吉田監督が「YouTuber」を題材に書き下ろしたオリジナル作品。底辺YouTuber・ゆりちゃん(岸井ゆきの)は、イベント会社勤務の田母神(ムロツヨシ)と出会ったことで、少しずつ活動に幅が出てくる。そんなあるとき、彼女は田母神の後輩・梅川(若葉竜也)の紹介で、有名YouTuberのチョレイ(吉村界人)やデザイナーの村上アレン(栁俊太郎)と知り合い、一気にブレイク。田母神を見限ったことで、激高した田母神との壮絶な愛憎バトルに発展してしまう……。

本「PEOPLE」では、ムロツヨシ、若葉竜也、吉村界人、栁俊太郎の4人にインタビューを決行。ムロと若葉の単独インタビューに加え、ムロ×若葉の対談、吉村×栁の対談というスペシャルな内容の超ロングインタビューをお送りする。

Photo
Sachiko Saito
Text
SYO
Edit
RIDE MEDIA&DESIGN inc.

——『ヒメアノ~ル』に続く吉田恵輔監督とのタッグ。今回はオリジナル作品ですが、違いはありましたか?

ムロ:現場での監督のスタンスや雰囲気は変わっていないかなと思いますが、『ヒメアノ~ル』は原作の世界観を踏まえたうえで映画で描こうとするものがあり、『神は見返りを求める』のようにオリジナルだと、いい意味で肩の力が抜けていたように感じます。そして、こだわりを感じられる部分も。今回だと田母神とゆりちゃん(岸井ゆきの)が自撮り棒でやりあうシーンには監督の強いこだわりを感じました。スケジュールも限られていたので、緊張感がありましたね。

——吉田監督や岸井さんから「自由演技(脚本等でセリフを指定せず、現場で俳優に任せる演技)が多かった」とお聞きしました。

ムロ:そうですね。セリフに縛られないお芝居といいますか、台本にない方がリラックスできる場合もあり、不思議な真実味が出てくる。本作はシステムを立ち上げたばかりの女の子とそれを支えようとする男の物語ですが、演じている僕たちにも照れが出てきたりして、人と人との距離感としても適したものになりました。それを見越した演出だと思います。

あとはやっぱり、吉田監督と岸井さんの信頼関係ですね。「安心して任せられる」という想いがあってこそだと思います。僕に対しては「台本で縛らない方が自由にやってくれるんじゃないか。やらせてあげよう」というのもあったのかもしれない。

——劇中、田母神は観ているこちらが驚くほど変貌していきます。ムロさんは本作のコメントで「自分じゃない自分を見ることになった」とおっしゃっていましたね。

ムロ:自分の中に「優しくありたい」という気持ちがあったとしても、斜めから自分を見たら偽善的なものもある。人に好かれたい・よく思われたいという思惑があっての優しさや言動って、逆にそういった気持ちがなくなると人に対して失望したり信じきれなくなりますよね。その極端なところまで田母神は行ってしまう。

失恋したり、世界情勢を見れば落胆することや「なぜだろう」と思うことはありますが、あそこまでは日常で経験することはないと思うんです。親切にしていた人に自分がいなくてもいい状態だと思わされ、急激に自分の感情が裏返る。追い込まれたという意味では、自分があまり見たことのない自分ではありました。

——岸井さん演じるゆりちゃんの変貌もすさまじいですよね。ファミレスでの修羅場のシーンなど、恐ろしさがありました。

ムロ:一人の人間が欲望に向かって突き進んでいく変わりようといいますか、少しの成功体験から生まれる自信によって人に対して見下しが生まれたときは、怖いですよね。

——ただ、その根本にある「何者かになりたい」という欲望自体は、「わかってしまう」ものでもあると思います。ムロさんはどのように受け止められましたか?

ムロ:自分に置き換えれば、こういう仕事をやっていますし、人前に立って何かをやりたいと思っている以上わかる部分はあります。「売れたい」という言葉がダサいと言われていた時代に、僕はあえてそれを使うことで人に名前を覚えてもらおうとしていましたが、この業界の人間は口に出さないまでもその気持ちが強くあるのかなと思います。人に見てもらわないと成立しない仕事ですしね。

「承認欲求」という言葉が、よく使われるようになりましたよね。技術が発達して様々な見られる場が生まれてきた中で、今や誰にでもあるものなんだろうなと感じます。「誰が観ていなくてもやればいい」という強い意志の持ち主の方もいるかとは思いますが、みんながそうなりたいと思いながらなれない方のほうが多いのかもしれません。

——そういった意味では、観る人を選ばない作品でもありますよね。

ムロ:特に今回の作品は、人間の欲深さや愚かさを描いていますからね。「売れたい」「認められたい」「褒められたい」という欲があるから、人はそこに向かって突き進んでいくもの。ただ一方で、それって滑稽でもある。そこは男女というか、性別関係なく楽しめるんじゃないでしょうか。

恋もひとつ、そういうものかもしれません。本作を形容する「心温まりづらいラブストーリー」という言葉が、一番適していると思います。









——若葉さんは今回、吉田組初参加となります。吉田監督の作品について、どんなイメージをお持ちでしたか?

若葉:僕が作品を通して思っていた吉田さん像とは全く違っていて、すごくライトな方で口数も僕の30倍くらいあって、「なるほど、この人があんな性格悪い映画を作っていたんだな」と思いました(笑)。

吉田さんの作品は『さんかく』のころから観ています。『ヒメアノ~ル』は原作含めて好きなのですが、最後の落としどころもニッチになっていないんですよね。吉田さんがやるとちゃんとエンターテインメントに昇華できていて、かつ森田という人物像の哀しさや、底知れない不気味さも描写している。すごく興味のある監督だったのでお声がけいただいてうれしかったです。衣装合わせのときに「俺『人間観察が好きだ』って言う奴が嫌いなんだ」と言っていて、「じゃあ(僕が演じる)梅川は一番嫌いってことですね」って話しました(笑)。

あと今回は、ムロさんが主演ということがすごく大きくて。一緒にお芝居できるのも楽しみでしたし、YouTuberを吉田さんが描くとどこにたどり着くのだろう?というところに興味がありました。偏見とリスペクト――吉田さんのYouTuberという仕事に対する想いは知りたかったですね。もちろん吉田さんはひねくれているから、どこまで本人の想いが書かれているのかは全くわからないのですが(笑)。

——本作でいうと、言葉のこわさを非常に感じました。それこそ誹謗中傷もそうですが、受け取り方や扱われ方のヒリヒリした部分は、現代の空気感と重なるかと思います。若葉さんご自身は、現代の“言葉”についてどのように見ていますか?

若葉:言葉自体は、時代に合わせてどんどん変わっていくものだと思っていて、それよりも「どう伝わるか」のほうが大事だなと感じます。近年、どんどん自分の服装も黒が多くなってきたのですが、そこには「ちゃんと伝わるように」という意図が大きく影響していて。

色を纏うと、言葉が伝わりにくくなる感覚があり、取材や打ち合わせの時などもなるべく黒を着ていくようにしています。自分の情報を少なくして、ニュアンスがちゃんと伝わるように。同じ言葉を使うにしても、伝わり方ってどうしても変わってしまうから、少しでもコントロールしたいなと考えています。

これは演じるときでもそうで、言葉自体よりも「何をしたいか」を読み解けるように心がけています。誹謗中傷にしてもそうだと思いますが、言葉はあくまで手段で、目的ではない。監督がどういう温度でどういうシーンにしたいか、言語化できない部分をキャッチできたらと思うし、そういった意味では言葉をあまり信用していないですね。

——若葉さんは、取材原稿もご自身でチェックされていますもんね。

若葉:それも、「どう伝わるか」をすごく気を付けているから。ちゃんと自分の伝えたい言葉にしたいなと思っています。『街の上で』ではプロモーション期間が1年あったのでそのぶん取材も多く、何十媒体もの記事をチェックするのは大変でしたが、今後も続けていきたいと思っています。

——“言葉”でいうと、撮影ではアドリブパートも多かったと伺いました。

若葉:はい。「適当に喋って」みたいな部分が多くて、僕のめっちゃ苦手な部類なので大変でした。できることならやりたくないけど、やりたくないことをやらせたときの顔が見たいんじゃないかな。

冒頭の飲み会のシーンは、僕に関してはセリフがあって、他の人たちはそんなに細かく決められておらず「もっと盛り上がっちゃって! 面白くして」といった感じでした。

——若葉さんは本作も含めてオリジナル作品に多数出演していらっしゃいますよね。

若葉:僕はオリジナルがいいなとすごく思っている人間です。単純に興味がある部分もありますが、色々なセンテンスを入れられるのが大きくて。例えばいまお話ししたアドリブに関しても、原作があると元々のキャラクターの人物像から離れてしまうことが怖い。すごく生っぽいものを撮ることができる反面、危険な綱渡りではあるんです。ただ吉田さんは、強弱はあるでしょうが、オリジナルであってもなくてもそこを撮っていく人だなと思います。

それもあって、すごく「見てくる」んですよね。吉田さんはすごくしゃべってくれるし、軽い感じで現場にいてくれるんだけど、その実すごく見られている感じがある。本人は「人間観察する人が嫌い」って言ってますけど、あの人自身がそうなんですよね。得意なことをさせないというか「そっちにはいかせないよ」というメッセージみたいなものを勝手に感じていました。

——じゃあ今回は、役どころについて吉田監督とがっつり話すというような形ではなく……。

若葉:特にしていないですね。僕が見てすごく嫌だなって思う人間をコピーした感じでした。

自分がダメ男をやるときや映画を観ているときも感じるのですが、本当にヤバい奴ってちゃんと相手の目を見て「俺は本当に好きだと思っているよ」と言える奴だと思うんです。「好き」って言葉にできないのはある種純愛だったり本当に好きなんだと思えるけど、臆面もなく言う奴ってどこか信用ならないというか。「絶対返すから金貸して」って言ってくる奴と近いんですよね。そういうやつをピュアにやりました(笑)

——確かに、『有村架純の撮休』で若葉さんが演じられたキャラクターは軽薄でこそあれ、「ヤバい」という印象はありませんでした。

若葉:あれは単純に馬鹿な奴でしたよね(笑)。でもこっち(梅川)はサイコパスに近いというか、本人に悪気がないのがたちが悪い。僕は頭で理解できなくても1回やってみるタイプではあるので、どんな役でも受け入れてやるのですが、梅川は何とも気味が悪くて、関わっちゃいけない人間という感じがありました。

今回決めていたのは、「本人は良かれと思っている」ということ。例えば「あいつがあんな噂話してましたよ」って言っちゃうシーンなども、計算じゃなくてとことんピュアにやる。ピュアであればあるほど本当に嫌な奴になると思っていたので、そこしか決めずに臨みました。

——ムロさん・岸井さんとのシーンも関係性がくるくる変わっていって、ライブ感がありました。

若葉:僕は現場にあんまり持ち込みたくなくて、その場で起きたことに対して変化していいと思うんです。次のシーンで全く違う人物に見えてもいい。人間自体がそういうものですから。

——今回は、同世代の役者さんも多いですね。

若葉:刺激的で楽しかったです。吉田さんは僕が一番言うことを聞かなさそうなイメージがあったみたいで(笑)、終わった後に「全然そんなことなかった」と言われました。俺、結構真面目なんですけどね(笑)。

——(笑)。若葉さんは6月10日にお誕生日を迎えられましたが、現在の目標はありますか?

若葉:居心地よくしたくはないなと思っています。自分の性格上、居心地よいところに行ってしまうと手を抜いてしまうので。『神は見返りを求める』はまさに居心地の悪い瞬間がたくさんありましたし、この間まで撮影していた現場でも、自分からその方向に持っていきました。あえて「やりにくい」状態にしていきたいです。









ムロ:(運ばれてきたクリームソーダを見て)これは演出だから。いま「この先輩クリームソーダとか頼むようになったんだ」って思っただろ(笑)。

若葉:違います。これ、頼んだの俺です(笑)。

ムロ:え……。うわっ、写真撮るうえでの演出だと思ってた!(笑)

若葉:(笑)。

——改めて、おふたりの出会いを伺えればと思うのですが、初共演がドラマ『サムライ・ハイスクール』(09)で、その後にムロさんの舞台『muro式.7』(13)に若葉さんが出演したという流れですよね。

ムロ:その間に、“居酒屋”を入れておいてもらっていいですか? 恵比寿のとある居酒屋で、若葉が背中が丸まっていてどこを見ているかわからない状態になったことがあって(笑)。

若葉:焦点が合っていなかった……(笑)。

ムロ:(笑)。一緒に芝居をやるのをやめようかと思ったときがありましたね(笑)。

——(笑)。それを挟んで『muro式.7』、映画『明烏 あけがらす』『muro式.9』(15)と続きます。共演の機会は多いですよね。

ムロ:濃いですよね。『muro式.』の7と9に一緒に立ってもらったのは僕の役者人生の中でも強く残っていますし、教わることも多かったし非常に苦しい思いをさせたなという気持ちもあります。3人芝居や2人芝居だったので舞台の3分の1、2分の1を担ってもらい、各地を公演で回ったから本当にたくさん背負ってもらいました。

若葉:役者としてのムロさんに出会ってすぐ演出家としてのムロさんに出会ったから、パブリックイメージと僕の中のムロさんのイメージに乖離があるんですよね。

ムロ:目が血走っているときの俺を何回も見ているもんね(笑)。俺は逆に、違いはないかもしれない。舞台やテレビ、スクリーンの中にいる若葉竜也を見てみんなの中に浮かぶのは「?」だと思うんです。どんな人なんだろう、好青年なのか、狂気じみているのか……。と思わせる「わからない」存在なんですよね。それは今後も大事にしてほしいなと思います。

僕が彼を初めて見たときは、佇まいがすごく印象的でした。今でも好きですし、ずっと見ていたいなと思います。やっぱり、わからないからこそ魅力的なんでしょうね。若葉も「ミステリアス」という言葉を使われるのは恥ずかしいだろうけど(笑)、そういうところがいいなと思います。

——今回は、会社の先輩と後輩という関係性の役柄ですね。

ムロ:本当に嫌な奴が似合っていたよね。悪意なき悪が現れた!と思った(笑)。

若葉:ピュアに嫌な奴ですよね。

ムロ:悪意がないぶん、一番危ない奴だと思った。最も狂気を感じる(笑)。

吉田さんの人生で、そういう奴が何人かいたらしいです。それを脚本に入れ込んだらしい。それを見事に台本を超えて演じ切る若葉を見ながら「怖えなぁ」と思っていました(笑)。

若葉:(笑)。今回改めて思ったのは、ムロさんとは毎回違う関係性の役柄を演じられているなということ。それが面白さでもありますね。

ムロ:あと、『muro式.』や『明烏』は意識がお客さんのほうに向いているんですよね。お客さんに届けるコメディだけど、吉田さんの場合はお客さんは関係なく、映画の中で完結している。今回はそれをやれたのが楽しかった。特に、岸井さんを含めた3人のシーン。

若葉:あそこは楽しかったですね。

ムロ:3人ともバチバチだし、かといって「芝居合戦」という感じでもなく、ただそれぞれが各々のスタンスでいて会話を成立させるというか。緊張感もあって面白かった。

——シーンの中で関係性も変わってきますもんね。撮影の合間に、おふたりで話したりはしましたか?

ムロ:いや、そんなに話していないですね。一緒に舞台なんかやっちゃうと照れくさくて(笑)、会った瞬間に「久しぶり。最近どう?」みたいに話すだけで、込み入って話をすることはなかなかないです。

若葉:照れくさいですよね。









© 2022「神は⾒返りを求める」製作委員会







——「吉村界人の瞬間ラジオ」で話されていましたが、おふたりの出会いは、藤井道人監督のオーディションだったそうですね。

栁:オーディションでは、つかみ合いのケンカをするようなシーンをやりました。そのときに、「とっぽい奴がいるな」と思ったのが第一印象です。

吉村:その後にプライベートで会ったとき、(栁)俊太郎が真っ赤なジャージのセットアップでやってきたのをすごく覚えています。「カッコいいな」と思いました。

栁:いつも思うのですが、(吉村)界人は役と本人のバランスが絶妙。だから毎回新鮮に感じるし、観ていて飽きない。

吉村:そんなことを言われたのは初めて(笑)。俊太郎は存在感があって、自信に満ち溢れていておどおどしていなくて、いいなと感じます。昔からそうだよね。

栁:自信、ないよ(笑)。

吉村:そうなんだ。

栁:俺は超あがり症なんだよ(笑)。でも確かに、「わかんない」ってよく言われるかも。

吉村:宇宙飛行士みたいだな。宇宙飛行士って色々なスキルや運動能力を求められるけど、一番大事なのは心拍数らしいよ。いかなるピンチに陥っても動じないメンタルが必要だから。ブラッド・ピット主演の『アド・アストラ』でやってた。

栁:じゃあダメじゃん。俺は顔が普通そうなだけで心臓ばっくばくだから、一番向いていない(笑)。

吉村:(笑)。

——吉村さんはお仕事の中で緊張はされますか?

吉村:するんですが、緊張に飽きちゃってるところもありますね。緊張している自分を俯瞰してそれに飽きちゃって、違う緊張を探したりしています。

栁:カッコいいな……。

——そんなおふたりは、『神は見返りを求める』の企画書や脚本を読んだ際はどのように感じましたか?

吉村:いまやるべくしてやる作品だなと思いました。YouTuberという役がなかなか難しいなとは感じました。

栁:企画書を読んだときに「どういう感じになるんだろうな」とは思ったのですが、見る人への裏切り方や展開がすごく吉田さんっぽいなと感じました。怖い人しか出てこないじゃないですか(笑)。

吉村:怖い。全員嫌な奴だよね。

栁:俺は『さんかく』や『ヒメアノ~ル』が好きなのですが、まさに吉田さんのダークなテイストと明るさのコントラストが出ていましたね。

吉村:吉田さんの作品は面白い。『愛しのアイリーン』『犬猿』『BLUE/ブルー』……全部好きですね。人間の嫌な部分をユーモアと滑稽さで包んで明るくやっているのがすごい。そのままやると暗くて愚かな奴になっちゃうものを、陽な感じに描いているのが流石だなと思います。

——おふたりが演じられたYouTuberのチョレイ(吉村界人)とデザイナーの村上アラン(栁俊太郎)は、ビジュアルも独特ですね。

吉村:衣装合わせのときに「とにかく派手にしよう。表面的にわかりやすく『イエー!』って感じにしていこう」と話し合って作っていきましたね。

栁:俺は衣装合わせのときにたまたま髭が生えていたんですが、それを見た吉田さんが「それいいね。そんな感じでいこう」って。吉田さんって決断、めっちゃ早くない?

吉村:早い早い。

——お互いの役に関しては、どう感じましたか?

栁:難しいだろうなと思いました。俺もYouTuberの役って言われたら苦労するだろうし。でもそれこそさっきの話じゃないけど、界人の“らしさ”がありつつ、ちゃんと役に見えてくるから流石だなと思いました。

吉村:ベースメントとして、デザイナーって誰でもできるような役じゃないじゃないですか。でもそれを「確かにそう見える」状態にまで持っていっていて、生まれ持ったものがあるんだろうなと感じました。雰囲気を本当に上手く醸し出していました。

——チョレイとアレンは、ともにゆりちゃんや田母神に大きな影響を与える役です。岸井さん・ムロさんとの共演はいかがでしたか?

吉村:岸井さんはすごく達者ですよね。同じことが何回もできたり、カメラや照明がどこにあるかまでわかっていて、常に冷静に俯瞰で見ていると思いました。

栁:あと、リアクションの芝居というか反応をちゃんとしてくれる。吉田さんもすごくそういうところを大事にしていました。俺自身が結構淡泊な役だったから、岸井さんに引っ張っていってもらったところが大きかったです。

ムロさんは、海で俺(アレン)が田母神を罵倒するシーンがあるのですが、その際のムロさんの演技がまぁ面白いし、罵倒しやすいんですよ(笑)。「そりゃそうだよな、言うわ」と思えるような演技をしてくれるから、すごく楽でした。

吉村:ムロツヨシさんにしかできない面白さですよね。何を発言しても拾ってくれる安心感もある。

栁:あと覚えているのは、そのシーンのカメラテストのときに俺が椅子に座ってメモしていたら、吉田さんがずっと笑っていて(笑)。俺が真っ黒な衣装だったのもあって「なんかひとり『DEATH NOTE』がいる! リュークだ」って爆笑してました。

吉村:(笑)。

——先ほどの「吉村界人の瞬間ラジオ」に栁さんが出演した際、「売れたい」とお話しされていたのが印象的でした。おふたりがいま課題に感じていたり目標としていることを教えて下さい。

吉村:ちょうどあの収録の前に会ったのが『神は見返りを求める』の撮影だったんですが、俺が「久しぶり」って言ったら、俊太郎が開口一番「俺ら舐められてるよな?」って言ってきて。朝7時の渋谷・恵比寿で(笑)。

栁:(笑)。あんとき俺めっちゃ落ち込んでたよね。なんでだったんだろう……。

吉村:「そんなことないでしょ」って返してからのラジオの収録だったんですが、そしたら今度は「界人、売れなきゃダメだ」って(笑)。何があったんだよと思いました。

栁:(爆笑)。でも、あの収録のときは明るかったよね。撮影時はすごい落ち込んでたけど、収録のときはそう言いながらもテンションは上がっていて楽しかったです。

吉村:いまはチャンネルはどう?

栁:気合で夏を乗り切るぞ!って感じ。そっちはどう?

吉村:俺もそうかな。頭で考えるよりは、打席があるから打つしかねぇぞって感じ。

栁:モチベーションを上げるのなんかある? 癒しとか。気合って疲れるじゃん。俺はネイチャードキュメンタリーの『OUR PLANET 私たちの地球』を観てる。動物の大群とか、鳥の求愛ダンスを観るとリラックスできるんだよね。

吉村:そうなんだ。俺は絵を描いてるくらいかな。

あとは、夏は夏であってほしい! 今年こそ、神に夏を渡したくない。

栁:それいいね。最後にロマンティックなワードが出たな(笑)。








映画【神は見返りを求める】

公開⽇:6月24日(金)
営業時間:11:00〜21:00まで
会場:CINE QUINTO(渋谷ロフト横)
配給:パルコ
宣伝:FINOR
公式サイト:kami-mikaeri.com
Twitter:@MikaeriKami
© 2022「神は見返りを求める」製作委員会





※吉田恵輔の「吉」は、つちよしが正式表記

ショップ名
QUATTRO LABO
フロア
B1F
電話番号
03-6455-3001
公式サイト
https://quattrolabo.com/
公式SNS
Instagram(@quattrolabo




「神は見返りを求める」上映チケット プレゼント

2022年6月23⽇(木)~6月26日(日)の期間中、渋谷PARCO公式SNSにてプレゼントキャンペーンを開催いたします。


下記方法にてプレゼントへご応募ください。
①Instagram(@parco_shibuya_official)・Twitter(@shibuya_parco) 公式アカウントのどちらかをフォロー
②6月23⽇(木)にUPされた公式SNSの「神は見返りを求める」上映チケット プレゼント対象投稿に、Instagramから応募の場合「いいね!」とコメントをお願いします。Twitterから応募の場合、リツイートをお願いします。
ご参加いただいた皆さまの中から、抽選で計10組20名様にプレゼントいたします。

ご当選の方へDMにてご連絡致しますので、渋谷PARCO 公式Instagram・Twitterのフォローをお願いいたします。

※アカウントが非公開設定の方、フォローが外れている方は抽選対象外となります。
※応募はお一人様一回限りと致します。
※既にフォローいただいている方も参加対象となります。
※当選の権利はご当選者様本人のものとし、第三者への譲渡(有償・無償を問わない)・換金を禁止させていただきます。

<当選発表>
厳正なる選考の上、2022年6月下旬頃、当選者にのみインスタグラムのダイレクトメッセージにてご連絡し、賞品の発送をもって当選に代えさせていただきます。また、賞品の発送は2022年6月下旬を予定しております。諸事情により多少前後する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

※賞品の発送先は日本国内に限ります。お客様のご住所・転居先不明などにより、お送りできない場合がございます。
※期日内にダイレクトメッセージへの応答のない方・当選連絡後、住所等の情報のご提供のない場合は、当選が無効となります。
※当選された方から提供いただきます個人情報は、本キャンペーンの当選のご案内・賞品発送にのみ使用いたします。
※当選理由についてのお問合せは一切受け付けておりません。
※ソーシャルメディアの運用を妨害する行為、趣旨に反する行為、弊社が不適切を判断する行為は禁止致します。
※当キャンペーンはFacebook社Instagramとは一切関係ありません。
※本キャンペーンは、予告なく変更・中止する場合がございますので予めご了承ください。


© 小嶋淑子

ムロツヨシ

1976年1月23日生まれ、神奈川県出身。1999年、作・演出・出演を行ったひとり舞台で活動を開始。2005年 映画『サマータイムマシン・ブルース』(本広克行監督)出演をきっかけに映画にも活動を広げる。近年は、『新解釈・三國志』(20/福田雄一監督)など話題作に出演し、昨年は映画『マイ・ダディ』(金井純一監督)で初主演を務め、公開待機作には『川っぺりムコリッタ』(9月16日公開/荻上直子監督)がある。吉田組は『ヒメアノ~ル』(16)以来の出演となる。
Instagram(@murotsuyoshi0123

若葉竜也

1989年6月10日生まれ。東京都出身。2016年、映画『葛城事件』(赤堀雅秋監督)で第8回 TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。作品によって違った表情を見せる幅広い演技力で数多くの作品に出演。NHK連続テレビ小説『おちょやん』で朝ドラに初出演し注目を集める。2021年には『街の上で』(今泉力哉監督)で映画初主演、以降も『あの頃。』(21/今泉力哉監督)、『くれなずめ』(21/松居大悟監督)、『前科者』(22/岸義幸監督)など話題作への出演が続く。公開待機作に『ぜんぶ、ボクのせい』(8月11日公開/松本優作監督)。
Instagram(@ryuya_wakaba.official

吉村界人

1993年2月2日生まれ、東京都出身。2014年『ほとりの朔子』(深田晃司監督)で映画デビュー。以降、数々の映画、テレビドラマに出演。2018年には『モリのいる場所』(沖田修一監督)『悪魔』(藤井道人監督)『サラバ静寂』(宇賀那健一監督)『ビジランテ』(入江悠監督)にて第10回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。また今年は『遠くへ、もっと遠くへ』(いまおかしんじ監督)、『人』(山口龍大朗監督)の公開が夏に控える。
Instagram(@kaito_.yoshimura

栁俊太郎

1991年5月16日生まれ、宮城県出身。2012年、映画『東京プレイボーイクラブ』(奥田庸介監督)で、俳優デビュー。以降、『猿楽町で会いましょう』(21/児山隆監督)『弱虫ペダル』(20/三木康一郎監督)『るろうに剣心 最終章 The Final』(21/大友啓史監督)、『桜のような僕の恋人』(22/深川栄洋監督)等話題作に出演。現在『生きててよかった』(鈴木太一監督)が公開中。
Instagram(@shuntaroyanagi

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