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『Made with Love by Tom Daley』 Exhibition フォトレポート

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『Made with Love by Tom Daley』 Exhibition フォトレポート
『Made with Love by Tom Daley』 Exhibition フォトレポート

多様であることの面白さや、あいの権利を大切に、そしてあいまいさを愛おしく思えるようにと願いを込め、「あいとあいまい」と名付けたカルチャーフェスティヴァルを、PARCOは2022年から毎年開催してきた。本年は、都市から漏れ聞こえてくる様々な“logue(談話・言葉)”に耳を傾けることで、凝り固まった「らしさ」があいまいになる瞬間を創出したいという想いから「city_logue」をテーマに掲げた。

2024年11月、カルチャーフェスティヴァル「あいとあいまい」の一環として、自らの感性で常識や表現の壁を軽やかに超え、多幸感に溢れた空間が広がったトム・デイリー氏による展覧会『Made with Love by Tom Daley』を開催。イギリス男子飛込競技選手でありながら編み物が大好きで、競技会場でもニットを編んでいる姿が話題となったトム氏。そんな彼のニット作家としての活動を、展覧会というかたちで発表するのは、今回が世界初だ。展覧会当日、彼が着用していた赤色のニットも、来日するまでの飛行機の中で編んだものだという。

編んだりほどいたりすることでさまざまな形を作り出すことができる自由自在さや、彼のハッピーでカラフルなクリエイションに触れ、何を想う?
世の中には難しく、複雑な問題がたくさんあるけれど、どんな作品も、始まりは1本の糸から。そんなシンプルで、明るく希望に満ちた気づきをくれる展示をフォトレポート。

Photo
Sachiko Saito
Edit
RIDE Inc.

展覧会ではトム・デイリー氏がお気に入りのニット作品約20点を選び、自身が歩んできた編み物の旅路を表現。競技場の飛び込み台を彷彿とさせる空間には、東京五輪時に制作したニットとトム・デイリー氏が獲得した5つのメダルを展示。「スランプの先へ」と題するゾーンでは、天井からニットを垂らし、コロナ禍の「先の見えない不安」を表現した。展示会初日には本人による編み物のワークショップが催され、トム・デイリー氏が大切にしている「ニッティングコミュニティ」が感じられる、特別なひとときとなった。

トム・デイリー氏とブレイクダンサー・Ami氏によるトーク開催 トム・デイリー氏によるワークショップ開催

また会場には、訪れた人たちからのメッセージや、その場で編んだオーナメントを飾りつけることができる”コミュニティウォール”を設置。最初は白い壁だったスペースは時間が経つにつれカラフルに彩られ、終了時には隙間がないほどにあたたかな声や手触り感のあるオーナメントに埋め尽くされた。ニットのもつポジティブなパワーややすらぎが具現化されるとともに、編むという行為がなぜ人を惹きつけ癒すのかという魅力も表現され、愛のある心あたたまる空間に。寄せられたメッセージ&オーナメントは後日トム・デイリー氏の元へ届けられた。

Tom Daley

1994年生まれのイギリス男子飛込競技選手。2024年パリ五輪にも出場して銀メダルを獲得。2020年東京五輪で競技会場でニットを編んでいる姿が話題となり、日本でも「編み物王子」として報道された。自身で趣味として編み物を行いながら、ニットブランド「Made with Love by Tom Daley」を設立。ブランドの公式サイトを開設し、アパレル商品などを販売、ニットレシピの書籍も出版している。同性パートナーとの子育ての様子を公表しており多様性をエンパワーメントする世界的なアイコンでもある。
Instagram(@tomdaley

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