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Interview 神木隆之介×糸井重里|「ほぼ日曜日」で出合い、対話する

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Interview 神木隆之介×糸井重里|「ほぼ日曜日」で出合い、対話する
Interview 神木隆之介×糸井重里|「ほぼ日曜日」で出合い、対話する

4月3日(月)〜連続テレビ小説108作目として放映される『らんまん』は、高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。

渋谷PARCO 8F「ほぼ日曜日」では、その牧野富太郎の生命力に溢れる生涯や、美しく情熱ほとばしる研究の一部を紹介する「牧野植物園がやってきた展。」を開催した(3月5日に開催終了)。

そして今回は展示に合わせ、ドラマの主演を務める俳優・神木隆之介氏と、ほぼ日代表・糸井重里氏とのクロストークを敢行。渋谷という街、牧野博士についてなどを語り合う。

※『ほぼ日刊イトイ新聞』で、3月下旬に「神木隆之介×糸井重里」対談が公開されます。

Photo
Sachiko Saito
Styling
Takafumi Kawasaki
Hair&Make
SHUTARO
Text
Hanako Fujita
Edit
RIDE Inc.

好奇心が刺激される
渋谷で紡がれていくカルチャー

神木「渋谷はしょっちゅういますね。高校の時から、遊ぶ街は渋谷。下校途中に、よくシブヤボウリングに行ってました」

糸井「渋谷の子だったんですね。カルチャーとしては」

神木「そうなんですよ。糸井さんはどんな思い出がありますか?」

糸井「渋谷で思い出深いのは、寺山修司さんの雑誌『ビックリハウス SUPER』。PARCOが出版していたんだけど、そこでいろんなふざけたことをして…とんねるずや、タモリさん、僕らがデビューできたんですよね」

渋谷PARCOの8Fにある「ほぼ日曜日(ほぼにちようび)」も、”ここに来ればいつも好奇心が刺激されて、知らなかった文化や価値と肉体的に出合える”というコンセプトを掲げ、存分にクリエイティビティを発揮できる場所だ。4年目を迎えた今の気持ちは?

糸井「4年になるんだなぁって思いますね。その間いろんなことを絶えず、いっぱいしてきてるんで、まだまだやれることがあるんだな、やれたんだなぁと嬉しいです。そして先の方が長そうで、楽しみですね」

神木「今回の『牧野植物園がやってきた展。』も、すごいですね。博士の研究を映像にまでされていて。3Dですか?ずっと観てられます」

糸井「けっこう前からこの展示の話はあったんです。サラッと流して観ることができない、そうさせない迫力みたいなものがあって。どうしてこの角度で描いている?ってそれぞれ必然性があるんだろうね。すごいですよね。神木くんは、お芝居でモデルになった人と会ってみたいっていうのはありますか?」

神木「いや…難しいですね、もしお会いできるなら、撮影が終わってからお会いしたいです」

糸井「いまは自分なりの、牧野博士の像を?」

神木「そうですね。波乱万丈で豪快で、好きなものに対して一直線で、儲けようとか邪なものがないからこそ、まわりを振り回してしまうという…」

糸井「それは巻き込まれた方も諦めがつくというか(笑)」

神木「牧野博士は、僕らが出会う人の数と、桁違い以上の恐ろしい数の植物との出会いがあったんですよね」

糸井「絶えず新しい何かと出会いたくて行動しているわけだから。植物を見つけた時『いたのかー!』ってなるわけですよね」

神木「でも名前を聞かれても答えられない。だから、植物のことを大事な人のように調べていく過程に、博士も魅力を感じていたのかなと思います。今は携帯で調べたらすぐ出てきますが、それがないですから」

糸井「今の時代、同じことを考えている人がどこかにいるってすぐわかっちゃうでしょう。最先端の研究も、どちらが1秒早かったかみたいな。でもあの時代って、横に仲間がいる実感はほぼないですよね」

神木「そうですね。そのぶん失敗も多かったでしょうし、成功のほうが少なかったのかもしれないです。今回、撮影期間がこんなに長いのも初めてで、人物の人生をこんなに長く演じることもないので、感情が揺れ動くシーンを体験しています」

糸井「それはやっぱり嬉しいですか?」

神木「嬉しいです。人って、あまりうまく行かないんだなって思いましたね(笑)。失敗が大半。失敗を次に生かして、生かして、生かして…そして自分の願いや望みが叶うんだなってすごく思いました」

3月20日(月)発売の『かみきこうち』は、牧野植物園のある高知で多彩な人々やものに出会い、高知を体験し尽くしたビジュアルブック。その写真も会場に飾られた。
書籍では神木氏が地元の方々にインタビューをする企画も収められ、糸井氏も「聞き上手ですね」と感想を伝える一面も。

椅子に座って、もてなし、対話する
渋谷PARCOの思い出

好奇心が満たされ、新たな出合いがあり、そして「まいにちが日曜日」のように、たのしいムードが常に満ちている空間を目指して名づけられた「ほぼ日曜日」。

入り口のロゴには、「5脚の椅子」が添えられている。カラフルに並んだ椅子たちは、「観る」「対話する」「ようこそ、ともてなす」など、まさに「ほぼ日曜日」が実現したいことのすべてが象徴的に含まれているそう。この日も対話が深まり、渋谷PARCOの話題に。

神木「同じ事務所の佐藤健がですね、僕と同じでポケモンが大好きで。何を考えているのかわからないクールな方で、趣味もわからないので、誕生日プレゼント何が良いんだろうなって。で、健くんのまわりにいる人があまりプレゼントしないもの、僕にしかその発想がないものってなんだろうなって考えた時に、ポケモンセンターでモンスターボール買おう!って」

糸井「ふふ」

神木「キラキラしたモンスターボールを買いました。たぶん飾ってくれてると思います」

糸井「そんなに昔の話じゃないってことがわかりましたね(笑)」

神木「そうですね」

糸井「PARCOがオープン当時、入り口を状況劇団に貸して、ボロボロの小屋みたいなデザインにしていたんですよ。それがぶっ飛びでした。PARCOの建物のままなのに、急に戦後のバロックができちゃって。当時学生だったのかなあ、若い自分は『こういうことやれるんだ』って。誰かがこの場所で何かをやっていることがすごいと思いました」

「ほぼ日曜日」では、ありとあらゆる種類の「表現」を提供してきた。それはたとえば、展覧会、ライブ、パフォーマンス、カフェ、ワークショップ等…。現在は、『展覧会の後始末計画、の展覧会 アート・シマツの極意』を開催中だ。これからもなにが起こるのか「わからない」場所として、私たちを楽しませてくれる予感がする。

「アートシマツの極意」展

展示
「アート・シマツの極意」展
会場
8F ほぼ日曜日
期間
2023年3月17日(金)~2023年4月16日(日)
※3月31日(金)休館
時間
11:00〜20:00
入場料
無料
公式サイト
https://www.1101.com/hobonichiyobi/exhibition/5665.html
ショップ名
ほぼ日曜日
フロア
8F
電話番号
03-5422-34661
公式サイト
https://www.1101.com/hobonichiyobi/index.html
公式SNS
Instagram(@parco_hobonichi

糸井重里(いとい・しげさと)

ほぼ日代表。1948年群馬県前橋市生まれ。コピーライターとして一世を風靡し、 作詞やエッセイ執筆、ゲーム制作など、多彩な分野で活躍。1998年にスタートしたウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では、『ほぼ日手帳』をはじめ、AR地球儀『ほぼ日のアースボール』、「人に会おう、話を聞こう。」をテーマにアプリ・Webでお届けする『ほぼ日の學校』など様々なコンテンツの企画、開発を手掛ける。
Instagram(@itoi_shigesato

神木隆之介

1993年埼玉県生まれ。映画「桐島、部活やめるってよ」 「バクマン。」「3月のライオン」「フォルトゥナの瞳」「君の名は。」(声の出演)、ドラマ「SPECシリーズ」「いだてん~東京オリムピック噺~」「コントが始まる」などに出演。2023年4月放送開始の朝の連続テレビ小説「らんまん」(NHK)では主演を務め、ドラマの舞台地である高知県で全ページ撮り下ろした書籍「かみきこうち」(NHK出版)とカレンダーが発売中。さらに、映画「大名倒産」が6月23日(金)に公開となる。

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