稲垣貴子×JW ANDERSON｜凛と夢を追う。無限に広がる自分という物語を紡いで。

JW ANDERSONの全ラインが揃う
日本初のコンバインショップが誕生

今年10月、渋谷PARCO 3Fに日本初のコンバインショップをオープンした「JW ANDERSON」。ロンドンを拠点に活動する6a architectsが設計した空間は、ロンドンとミラノにあるフラッグショップの２店舗のエッセンスが融合されている。厳選された素材やクラフトマンシップ、ピンク色のカーペットとカーテンで装飾されたフィッティングルームなど、ミラノ旗艦店を彷彿とさせるエッセンスを取り入れながら、同時にペトロールブルーとブラックのチェッカーボードの床やネオンサインなど、ロンドンのソーホー地区に位置する初旗艦店のスピリットやナイトライフカルチャーからもインスピレーションを得ている。
「デザイナーのジョナサン・アンダーソンとはまだお会いしたことがないのですが、彼のお父さまがラグビーアイルランド代表選手だったと聞いたことがあり。2024年メンズ春夏&ウィメンズ リゾートコレクションでは、アイルランド代表のラグビーユニフォームを纏ってショーのフィナーレに登場されたりして。それがすごく印象的だったんです。JW ANDERSONは、様々な文化的な要素を自由に取り入れることができる素敵なブランドだなと思っていました」と稲垣貴子さん。

「すべてはありのままで、それに尽きるのだ」。
服作り、自身の原点へと立ち戻ったコレクション

上半身は裸、ショーツだけを纏った男性モデルが、生地ロールを片手に抱えて突然現れる――そんな大きなインパクトでランウェイの幕が開けた、JW ANDERSON 2023年秋冬メンズコレクション＆2023年プレフォールウィメンズコレクション。デザイナー ジョナサン・アンダーソンが「シンプルで、過剰さもなく、原点へ。すべてはありのままで、それに尽きるのだ」と語るように、15周年という節目に彼は服作りの原点へ立ち戻り、削ぎ落とし、圧縮され、凝縮したまっさらな状態の服作りに挑戦した。またダイアナ妃が愛息に履かせたことで、英国でいちばん有名な子供靴となったカエルを模ったレインブーツ「Wellipets」とコラボレーションを行い、フロッグラバーサンダルも登場。ジョナサン自身の幼少期の楽しく平和的で、親密な記憶をファッションで表現し、自分自身への原点にも立ち返った。
リラックスシルエット×ドロップショルダーで、ジェンダーレスで楽しめる新作“HOODED TRENCH COAT”は、ランウェイで注目を浴びたJW ANDERSONらしさが詰まった一着。また、持ち手がひねられたような定番バッグ“TWISTERシリーズ”には、ピンク、パープル、マスタード、カーキーの4色のシーズンカラーがお目見え。機能性やクラフトマンシップが貫かれ、クラッチ、ショルダー、クロスボディの3wayで活躍し、どんなスタイルにもコーディネートが可能だ。

ワクワクする感覚へと誘う、
革新的な遊び心溢れるJW ANDERSONの魅力

稲垣さんが着用するクロップド丈のニットは、裾にレーザーカットのダメージ加工が施され、背中にはJW ANDERSONのロゴであるアンカーが刺繍されている。控えめなフレアシルエットのパンツにはスリットが入り、脚をとてもエレガントに美しく見せてくれる。
「動物のモチーフなど、コレクションでは斬新なピースを見せてくれるので、JW ANDERSONはいい意味で“普通ではない”と感じていました。今日、着させていただいたお洋服も、見た目のイメージはちょっとワイルドなのですが、実際に纏ってみると、体のラインがとてもキレイに見えて、女性らしくエレガントだったり。着ていてすごくワクワクするような、JW ANDERSONというブランドの一部になったような感覚で楽しませていただきました」。
稲垣さんが手にするバッグは、ブランドを代表するチェーン・リンクをバッグの角にあしらった新作“コーナーシリーズ”のJWA CORNER BAG。丸みを帯びた台形シルエットにゴールドトーンの金具がステートメントなアクセントになっている。

無限に広がる、新しく見える景色を求めて。
稲垣貴子が挑戦をやめない理由

「私は大阪出身で、大学も大阪の体育学校に通っていました。大学4年生ぐらいから、モデルの仕事を始めたとき『ああ、楽しい！ これを極めていきたいな』と感じて。モデルについて調べ始めたら、パリコレに行き着いて、そのとき、『モデルをするなら、パリコレを目指そう！』と決意したんです。東京のインターナショナルなモデル事務所に履歴書を送ってみたのですが、返事を得られず……それでも、私のなかで『海外でモードな自分を表現したい』という気持ちは変わらなかったです。まずは、ハイファッションができることを証明したいなと思い、海外へ行こうと。そのときに出合ったのが、シンガポールでした。公用語も英語だし、モデルのブックをつくるためにいいチームがシンガポールにいるということを聞いて、『じゃあ、シンガポールへ行こう！』と。いま以上に行動力があって、思ったらすぐに体が動いていました（笑）。1年間シンガポールに住むと決めて、モデルとしての活動を本格的に始めたんです」

シンガポールでモデルのキャリアを積み、ブック作りに専念。移住から1年後の2014年、稲垣さんはパリへ渡った。
「初めてのパリコレでは、私だけ小さな女の子と歩いてほしいと本番前に急に言われて。その女の子も、もちろんファーストランウェイですごく緊張していて（笑）。『大丈夫だからね』って声をかけながら、ふたりでデビューしました（笑）。だから、最初のランウェイはすごく思い出深いんです。
海外では特にランウェイを歩くモデルは、やはり厳しいことが多く。当時は、差別的なこともたくさんありました。アジア人モデルがまだ少なかったので、平気で順番を抜かされたり……でも、そういうことに『絶対に負けない！』と私は思うほうなので逆に頑張れたというか。自分の気持ちを支えたのは、この仕事が好きだという想い。やりたかった仕事ができたときの喜びは、本当に大きいんです。たぶん、悔しかったり、悲しかった時期のほうがトータルで見ると長かったなと思うのですが、でもそれ以上に、なにかができたときの喜びは何倍にも膨らむ。そしてやりたい仕事ができても、そこで満足することはないんです。そこに立ったら、また違う景色が見えてきて、次にやりたい挑戦が自然と湧き上がってくるから」

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