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青木柚×08sircus/KIJIMA TAKAYUKI|心と心をつなぐ、丁寧なものづくり

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青木柚×08sircus/KIJIMA TAKAYUKI|心と心をつなぐ、丁寧なものづくり
青木柚×08sircus/KIJIMA TAKAYUKI|心と心をつなぐ、丁寧なものづくり

「最近、友人に誘われて映画を観たのが渋谷PARCOでした。それが舞台挨拶付きの回で、すごくラッキーで。舞台や映画はここで観ることがわりと多く、上映時間になるまで1Fのカフェでくつろいだりしています」と、プライベートでもよく渋谷PARCOを訪れるという青木柚さん。彼が向かった先は、ミニマルなデザインの中に高い美意識が貫かれた「08sircus」と、数多くのファッションデザイナーにも大きな影響を与え続ける帽子ブランド「KIJIMA TAKAYUKI」。繊細な技術と日本特有の美しさで世界を魅了する、これらのブランドが持つ“最高のものを創り続けたい”というものづくりの心は、表現者・青木柚の心ともシンクロする。

Photo
Kazuhei Kimura
Stylist
Yoshie Ogasawara
Hair&Make
AMANO
Text
Hisako Yamazaki
Edit
RIDE Inc.

“静かに佇む強さは動きとともに、
多様性のなかで個を纏っていく”

「08sircus」は、デザイナー森下公則氏による日本のファッションブランド。その名の由来は、「08=蜂」と「SIR=英国の称号」、「CUS=CUSTOMER(顧客)」を組み合わせた造語だ。目に見えるラグジュアリーとは違う、リアルな感覚でちょっと先を行く新しい服を提案し、デザイナーの森下氏自身が本当に着たいと思うもの、イージーでリラックスだけれど、シックでエレガントな服づくりをブランドのコンセプトにしている。少しの妥協もないデザインと丁寧な縫製、上質でユニークな素材使い、モードでありながらも使い勝手の良い、こだわりの詰まったアイテムで、多くのファンから愛されている。
2024 spring and summer collectionのテーマは、「内なる強さと共存するエレガント」。レイヤードとバランスに着目したコレクションを展開。“前と後”の関係性にフォーカスを当て、前後で異なる表情を魅せるアイテムやレイヤードすることで形を変化させることができるアイテムなど、二面性のある洗練されたクリエーションが目を惹く。

透け感がつくり出すラインが、
着る人の個を引き立てる

ウィメンズの素材感やバランスをメンズに取り入れ、ジェンダーレスの世界観をさらに広げた2024 spring and summer collection。この日、青木柚さんは透き通るような水色のシアー素材のトップスの上に、美しい光沢感のシルクタフタのオーバーサイズシャツをレイヤードしたスタイリングを楽しんだ。一見、フェミニンに見えるアイテムも不思議と袖を通すと、エレガントな中に強さを感じさせる。ボトムスには、08sircus定番のパラシュートパンツをセレクト。ワッシャー加工を施したヴィスコースナイロンの生地は、自宅で洗濯も可能だ(ヴィンテージのような表面にあえて仕上げているから、洗濯後のシワも気にならない)。歩くたびに揺れるグログランテープが、カジュアルなアイテムをエレガントな雰囲気へと見事に昇華させている。
「08sircusの服は素材がとても美しいですね。パンツが風になびいているシルエットも、すごくきれいで。代々木公園の景色と相まって、とても映える服だなと思いました。こういう服をさらっと着られる人は、めちゃくちゃおしゃれ。そういう大人になりたいですね」

Silk taffeta sleeveless over shirt ¥44,000、
Super sheer rib crew neck ¥20,900、Viscose washer parachute pants ¥41,800

キラキラした場所への憧れ。
10代でスタートした青木柚の俳優人生

青木さんの俳優としてのキャリアは、10代の頃からはじまる。表現者に憧れをいだいたきっかけとは?
「ヒーローとかスター、アイドルとかアーティスト……そういったエンタメが小さな頃から好きで。たぶん、キラキラしたところへの憧れが強かったのでしょうね。幼稚園生の頃も校庭の朝礼台に登って、それをステージに見立てて無観客でワンマンライブをしていたんです(笑)。だから、親に『表現の仕事をやりたい』と言ったのも自分からで。仕事はエキストラから始まって、いちばん最初に役をもらったときのことは、すごくよく覚えています。最初は生きていたのですが、3話ぐらいで…(笑)。当然、じっとしていなければならなくて、横たわっていたコンクリートの冷たい感覚を今でも覚えています。でも、10代で『(仕事を)やりたい』という自分の意志を、特に反対することなく、この道に賛成してくれた両親の寛大さに感謝しています。もし自分が親になって、同じことが起こったら『考えさせて』って言うと思う(笑)。そんなフラットな両親のスタンスも含め、家族だけでなく、いい人が周りにいてくれたというとても恵まれた環境にいた。だからこそ取り乱さずに何か考えたいことがあれば考える、そこにちゃんと向き合う、という自分になれたのかなと思います」

大きな水槽に水を張り、染料を浮かべて生まれた模様を生地に写しとるようにして染める“墨流し染め”によるスタンドカラーシャツ。京都の職人の手で丁寧に染められたアイテムは、一枚として同じ柄は生まれず、一点もののような特別感がある。

Sumi-nagashi-zome marble stand collar shirt ¥61,600 Viscose washer shoulder bag ¥19,800

「演じる役は本当にいる存在」。
その想いは、いちばん手放してはならないこと

「演技をする上で大切にしていることは、僕が演じるその役が、“本当にいる存在だ”ということをいちばんに自分自身が信じること。映画やドラマは、毎回現場が変わるたびに違うスタッフさんになって、演じる役も当然、違う人になる。環境が変わるなか、役者として何かに応えなければいけないとき、そんなシンプルな想いすら、自分の手から離れていってしまいそうな状況になったりもするんです。でもそれは、いちばん手放しちゃいけないことだと思って。そうしないと、演じる側も観る側も、まったく心が動かないんじゃないかと思うので。技術的なことよりは、その役が本当にいる存在だと自分が信じることを、現場で意識できたらいいなと。環境と状況によって、どうしても辻褄が合いそうにないときとかは、『この役が可哀想だな』と思う瞬間もあるんです。哀れみということではないですが、自分が真摯に演じられなかったら、その人生は誰に見つけてもらえるんだろうかと。そういう状況では、モチベーションを含め、プラスな方向にいくためにはどうしたらいいんだろう……と葛藤して神経を使いますね。そして、自分は作品の規模や成果ということではなく、共演者やスタッフさんと同じ方向を見ながら作り上げていく瞬間の純度が高ければ高いほど、すごいやりがいを感じるし、それが原動力になります」

ショップ名
08sircus
フロア
3F
電話番号
03-6809-0408
公式ブランドサイト
https://08sircus.com/
公式SNS
Instagram(@08sircus)(@08sircus_shibuya_parco

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