ロサンゼルスを拠点に活動するアートコレクティブ「FriendsWithYou」。“Magic”、“Luck”、“Friendship”というコンテクストに基づき、「新しい人間関係の構築」を提案する体験型のアートを生み出してきた彼らの個展『Ocean - Temple of the Sacred Heart』がPARCO MUSEUM TOKYOにて開催された。
架空の神話『OCEANの書』に基づいた本展は、人類を支配する様々なデバイスから解放し、自然のもとへ解放するためのアルゴリズム大戦に命を捧げた英雄たちの記憶が刻まれている。ポップでKAWAII、遊び心溢れるその世界観に込められているのは、海の惑星という地球本来の姿を思い出すことから、そこに生息するあらゆる生物を結束させたいというメッセージだ。フロリダ、マイアミ生まれのサミュエル・アルバート・ボークソン(以下、SAM)と、キューバ、ハバナで育ったアルトゥーロ・サンドバル・III(以下、TURY)が話す、体験することで完成する彼らの作品についての思いとは?
※ The English version is available below.
- Photo
- Sachiko Saito
- Text
- Tomoko Ogawa
- Edit
- RIDE Inc.
——2002年にスタートしたFriendsWithYouですが、どのように始まったのでしょうか?
SAM 90年代にレイヴで友人を通じて私たちは出会い、FriendsWithYouをコンセプチュアル・アート・ムーブメントとして設立しました。始まりは、レイヴシーンの主要な信条であるPLUR(平和、愛、統一、尊敬の略)を体現した、私たちにとってのヒッピー運動のようなものでした。当初から、現代に合ったスピリチュアリティのあり方を新たに作りたいと思っていました。また、アレハンドロ・ホドロフスキーが生み出した<サイコマジック>という造語のように、ヒーリングのためのツールとして芸術を使うというアイデアも創作の中心にありました。宇宙のパワーが私たちの味方になってくれることを願っていましたし、宇宙のすべてがFriendsWithYouであるという考えのもと、迫りくる孤独と格闘できるような癒しのアートを作り出すことを目指しました。
TURY それから23年間、私たちは今も一緒に活動しています。最初は絵画を共同で描くことから始めましたが、明確な方法論がまだなかったので、ぬいぐるみとして販売するソフト・スカルプチュアを作り始めました。そして、それらには持ち主の可能性を引き出すための魔法の力が宿るということを知ったんです。
——FriendsWithYouが作品を生み出すうえで大切にしている考えとは?
TURY 私たちのやっていることの面白さのひとつは、幼い子どものような表現の造形や方法を使って、より深いメッセージを伝えることだと思います。アーティストとしてのスタンスはというと、子どものような驚きの感覚を手放さず、世界からインスピレーションを得ること。だからこそ、社会の一員として機能するためには、人生に対して驚いたり興奮してはいけないという考え方に、常に抵抗してきました。もともとは自分たちが生きていくうえでの対処法として大切にし続けてきたものですが、それを世の中にシェアしたいと考えています。気まぐれでハッピーで興奮して遊びたいと感じても、一日中ワクワクしていてもいいんだよ、ということを。
SAM フロリダで育った僕は荒っぽい子ども時代を過ごしましたし、TURYもたくさんの逆境があって、どちらも14歳で家を出ることを余儀なくされました。それゆえ、人よりも早く大人にならなければいけなかった。だからか、今、大人になってからも、遊んだり、夢を見たり、青空を見て考えたり、誰かの手本となり模範となり得る何かのためのスペースをたくさん残しているんじゃないかと思います。遊びは神聖なものであり、子どものように驚いたり夢見ることは自由で、誰もが大きな夢を持っていると私たちは信じているので、愛、希望、好奇心、遊びをすべての作品に主な要素として取り込んでいます。
——それぞれの子どもの頃のことを少し聞かせてください。創造の喜びを最初に体験した記憶についても。
SAM 乱暴で荒っぽかったけれど、タフな子どもだったと思います。トラブルだらけで、常にいろんなことに巻き込まれていました。自分が育ったフロリダは、まるでウィリアム・ゴールディング『蝿の王』みたいな沼地のような場所だったんです。暗かったし、必死で生き延びていました。愛と平和のための戦士として活動している今の私たちの生活とは対照的ですね(笑)。その頃は、我ながら謎ですが、工具やバットでおもちゃを壊しては、夜中に持っていた電球の熱でそれらを溶かして奇妙なプラスチックの塊を作っていました。
TURY 子ども時代の記憶として一番鮮明に覚えているのは、自分が育ったキューバで兄と一緒に創作をしたことです。裏庭で見つけた物を使って手の込んだ構造物を作って、それを元にブリコラージュにまつわる物語を展開しました。
——個展「Ocean - Temple of the Sacred Heart」は、想像上の神話「Ocean」をテーマにした新しい絵画や彫刻に焦点を当てています。どんなアイデアから生まれたものなのでしょう?
SAM 「Ocean」は、人々、自分自身、そして生きている地球との関係をより親密にするための、新自然主義的なアイデアを表現する一連の神話です。このコンセプトは、これまで私たちがやってきたことを説明できるような、人々を結びつける新たな神話を作りたいという思いから生まれました。つまり、あらゆる宗教、国々で以前からある考え方をすべて捨て去り、人々を自分自身へと、母なる自然と起源である神々に立ち返らせる、始まりの宗教を現代風にアレンジしているわけです。そもそも、僕たちは海から来て、ほとんど海水の成分でできていて、波のように鼓動する心臓を持っていますから。
TURY 地球の名前を「Ocean」に改め、私たちが住む場所を地球と呼んできた歴史を書き換えようとする取り組みでもあります。現代の歴史は、自然よりも人間を優先させていると感じていて。そもそも地球は青く、茶色の惑星としては存在していませんよね。同じように、自分たち以上の存在であるエコシステムの中で、倫理により合った新しい枠組の神話を提示したいと考えたんです。私たちが今いる場所と未来を見直すために、自然を全体としてとらえるというよりホリスティックな考え方に立ち返り、人間のパワー・ダイナミクスを地球と再調整したいという思いを込めています。
——FriendsWithYouのテーマや作品に流れるアニミズムは、アジアをはじめとする日本でも古くから浸透する思想ですが、そういったアジアの文化から影響を受けた部分もあるのでしょうか?
SAM アニミズム、つまりすべてのものに魂があるという考えは、宇宙があなたの味方をするという私たちの主なアイデア、すべての作品のテーマの中心にあるものであり、このアイデアで遊ぶのが大好きです。そして、日本は私たちにとって大きなインスピレーションになっています。シンボルやキャラクターを使って感情を呼び起こし、人々をインスパイアするその方法は、私たちの作品づくりの中核にあるものです。
TURY 深く影響を受けてはいるものの、アニミズムに関して言うと、母がキューバで実践していた西アフリカの宗教、自然現象などのアニミズムに根ざした、非常に原始的な信仰体系のヨルバ教に非常に影響を受けています。
——役割を分担することなく、作品を文字通り一緒に作っているお二人ですが、最初の一歩はどんなものなんですか?
TURY 会話から始まることもあれば、一緒に座って絵を描き始めることもあります。実際の会話と視覚的なコミュニケーションをどちらもしています。例えば、「この神話について読んだことがある?」とかね。それぞれのアイデアを共有し、一緒にアイデアをリミックスしていくという創造の波に対して、慣れ親しんでいくことが素晴らしいことだし、共同作業はとても面白いですね。まさに二人で海にダイブして、どこまで流れるかを見ている感覚です。
SAM 2人とも、枯れないインスピレーションの泉があるから(笑)。神話を読んだり、芸術を見たり、人生で経験したこと、瞑想や実験、研究から得た考えなどを作品に持ち込むこともあります。自分と同じくらいパワフルなアーティストと作業をすることで、まだ完全にはかたちになっていないアイデアやビジョンを実現できるんですよね。一緒にやることで、魔法のようなフレーズを創り出すことができるし、自分の中にあるものを最大限に表現したり、あるいは思いがけない方法で、夢を具現化することができるのは、素晴らしいなと思っています。
——ちなみに、どうやって完成したとわかるんですか? 意見が割れることもあります?
SAM 二人ともが納得できた時点が完成の瞬間です。私たちが好きだと思えなければ、世界には送り出せないですから。しばしば私たちだけでは理解できないような難しい状況にぶつかることもあります。そのときは、お互いに意見を出し合い、アイデアを押し進め、それをかたちにしていきます。いつもさまざまなアイデアが渦巻いているから、こうやってひとつの美しい展示として完成するのは、本当にエキサイティングな冒険ですね。
TURY 自分たちにとって価値がある表現かどうか、という議論はもちろんします。情熱があるからこそ、ときには感情的になることもあるし。でも、23年間かけて、より前向きにお互いの意見を尊重し合い、新しいものを築き上げるような話し合いの方法を見つけることができたと実感しています。
——自信をなくしたり、壁にぶつかったときは、どう乗り越えてきましたか?
TURY 姿を表し、努力すること。それが最も簡単な対処法のひとつだと思います。そして、失敗することや完璧でない状態に慣れる必要がある。一般的な方向にコミットして、ただ毎日前向きに、姿を見せ、ベストを尽くし、シャワーを浴び、ごはんを食べて、ワークアウトをして、うまくいくまでまたやってみる。信念を持ってアイデアに取り組むことが、大きなアイデアにつながるものです。だから、失敗という概念は存在しないと思っています。失敗の先に知識を得られるし、すべての相互作用に価値があると捉えています。
SAM 私たちは常に物事を完璧にしようとはしません。荒削りな部分や、醜い部分、ときに人間らしさ、不思議さこそに美しさがあるから。物事がデジタル化されて、完璧で美しくなるにつれ、人々は汚れていたり、粗い部分があったり、醜い瞬間があったりするものに惹かれるようになるんじゃないかな。
——お二人は、芸術をどのように定義しますか?
TURY 人間の活動の中で、否応なしに流れ込むものを表現する行為。
SAM アイデアと創造物として提示された人類の生きた対話。
——自由で偏りのない表現をするために必要なこととは?
SAM 恐れずに心から創造すること。
TURY 失敗する意志。
——没入型インスタレーションやパレード、彫刻、絵画、アニメーション、ライブパフォーマンス、またブランドとのコラボレーションなど、多岐にわたるフィールド、ジャンル、方法で表現活動をする理由とは?
TURY パワフルなアートを作るためには、アーティストとしてスタジオに一人で篭らなきゃいけない、という考えは、過去のものだとずっと思っていました。現代的、未来的な新しいアートを作るためには、さらに強力なブレーンが必要ですよね。だから、アーティストやエンジニア、哲学者、その他のコラボレーターを巻き込んでいこうというアイデアは、いつも二人でコラボレーションをしている私たちにとって、自然でやりやすいかたちだったんです。また、ソロのアーティストが優れた芸術を生み出す唯一の存在であるという考え方も、もはやちょっとした神話みたいなもの、くらいに思っています。
SAM ファインアートの世界から、小さな子どもから、アカデミックな人、単純な人々まで、すべての人々に触れたいという考えがあります。誰のアイデアでも夢でも、ウェルカムです。さまざまな種類の作品は、異なる場所にいる人々と出会うためのツールです。直接コラボレーションをしていなくても、私たちのコミュニティに参加してくれている人たちは、同じようにアートを多様化し、さらに進化することに興味を持っている。そして、私たちの物語すべてに力を取り戻すような、団結した絆がある。それこそが、「Ocean」のアイデアの源です。私たちは物語の創造者であるだけでなく、物語の中のアーティストでもある。そして、新しい世界、惑星を創造するのはすべてのアーティストであり、私たちの物語です。アーティストにはアイデアがあるし、そのアイデアにはパワーがある。だから、私たちが力を合わせれば、本当にパワフルなものを作ることができると信じています。
——PARCO MUSEUM TOKYOでの展覧会を、実際に体験した感想はいかがでしたか?
TURY 期待以上です。本当にマジカルな空間だと思います。私たちが伝えたいと考えている、この世では意味をなさないような、でも確実にこの世のものであるような、ある種の神秘的な別の時空にいる、そんな感じが伝わってきて、とても幸せです。私たちが常に創り出そうとしているのは、思い出に残る体験ですが、この展示は間違いなくそれをもたらすものだと確信しています。
SAM ここ数年の作品がこのスペースに集まり、美しい体験となる場に居合わせることができて本当に嬉しいです。それぞれに込められたアイデアや想い、そしてそれを作り上げるために必要なすべてのこと、それがひとつになったことで生まれるパワーと感動を目の当たりにして、喜びと愛で胸がいっぱいです。
——鑑賞した人たちからどんなフィードバックがあると嬉しいものですか?
TURY アートを体験した人たちからのフィードバックは、とても興味深いです。私たちにとって、アートはほとんど実験のようなもので、アイデアを試しながら、人々がどう感じるか、どう共感するか、どう心に響くかを見ている。だから、フィードバックがあると、それがどのようなものかにさらに気を配ることができる。人々がアートとどのように接するかに着目することは、実際、私たちのアートの大きな部分を占めているんです。「関係性の美学」という言葉がありますが、鑑賞者がPARCO MUSEUM TOKYOに来て、作品と対話することで生まれる体験こそが私たちが考える本当の芸術なんです。
SAM そうだね。私たちはネット上にも投稿はしているけれど、それを見た人が実際にどう感じているかは知り得ない。だから、人々がアートを目の当たりにし、彼らが本当にアートを体験し、何を感じたかを私たちに表現してくれたときはいつも嬉しいです。良いことも、悪いことも、醜いことも、どんな感情も最高のフィードバックですね。
——今回展示するにあたって、渋谷PARCOに持っていた印象は?
SAM 東京と渋谷の象徴的なランドマークであるPARCO、大好きです! みなさんが私たちのアートを体験できる機会をくださり、とても嬉しく思っていますし、驚くほどスマートで親切で私たちをサポートしてくれているNANZUKAとその家族にはとても感謝しています。
TURY リニューアル前から何回も遊びに来ています。ギャラリーやミュージアムでも多くの素晴らしい作品を見ました。PARCOは常に、プロダクトがアートやデザインを必要としていることを証明し、そうしたものづくりを後押しする刺激に溢れる場所です。
——今回の来日では、どんなふうに東京を過ごす予定ですか?
TURY 東京という街に溶け込み、この場所にいることを楽しんで、美味しいものをたくさん食べて、美術館にも行こうと思っています。地球の反対側に位置する国から来た僕らにとっては、どんな文化の動きがあるのかを知れるのは、とても刺激的だし、興味深いことです。
SAM 先日他界された、田名網敬一さんの大規模個展「田名網敬一 記憶の冒険」に行こうと思っています。彼に会えて本当に嬉しかったし、大好きでした。森美術館の「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」にも行く予定です。今回はロサンゼルスから同志である友達がたくさん来ているので、彼らと一緒にいろいろ見て楽しめたら嬉しいです。日本には、美味しい、ウマイものがたくさんありますし、日本文化に触れて、またインスピレーションを得たいですね。
FriendsWithYou, an art collective based in Los Angeles. Spreading their unifying message of 'Magic,' 'Luck,' and 'Friendship,' they have been creating interactive art that fosters new human connections. Their solo exhibition 'Ocean - Temple of the Sacred Heart' was held at PARCO MUSEUM TOKYO.
In this exhibition, they’ve created a fictional myth called 'The Book of OCEAN,' which commemorates the heroes who devoted their lives to the algorithmic war to liberate humans from the various devices that control us and return us to nature. Beneath the pop, KAWAII, and playful world they show lies a message: to remind us of Earth’s original form as a planet of oceans and to unite all living beings that inhabit it. Samuel Albert Borkson (referred to as SAM), born in Florida, and Arturo Sandoval III (referred to as TURY), born in Cuba, discuss their works that are completed through the experience of the viewers.
——Since FriendsWithYou started in 2002, could you share how the two of you met and how your collaboration began?
SAM We met through friends by going to raves in the 90s and founded FriendsWithYou as a conceptual art movement. In the beginning, it was kind of our hippie movement that epitomized the main tenets of the rave scene, PLUR: peace, love, unity, respect. We wanted to create new modes of spirituality for modern times. The idea of using art as a tool for healing, as in the term “psychomagic” coined by Alejandro Jodorowsky, has also been central to our creative process. We invoked the power of the universe to be conspiring in our favor and with the idea that everything in the universe is FriendsWithYou. And our goal was to battle the looming isolation we felt by creating healing art.
TURY Twenty-three years have passed since then and we are still working together. We started out by collaboration on paintings, but we didn’t yet have a clear methodology, so we began making soft sculptures, which we sold as plush toys. Then we discovered that those were in turn imbued with magical powers as a way of helping the owners manifest their own potential.
——What do you value in the creation of your work?
TURY I think one of the things that makes our work interesting is to use childlike figuration and mannerism to communicate deeper messages. Our stance as artists is that we don't let go of the child's wonder and to be inspired by the world. We’ve always resisted the notion that to be a functional member of society, you must not have your sense of wonder and excitement about life. It is something important that we have always tried to hold onto as our own way of coping with our existence and we want to bring it to the world, that it's okay to feel whimsy, happy, excited, wanting to play and being thrilled all day long.
SAM Growing up in Florida, I had a pretty rough childhood and TURY also had a lot of adversity and both of us had to leave home at the age of14. As young kids, we had to grow up quicker than others. Maybe that's why, now, in our adult life, we have left a lot of space to play, dreaming, looking at the blue sky, and thinking, something that can be examples and models for the rest of the world. We believe that play is holy, that wonder and dreaming like children is freedom, and that everyone has a huge dream inside of them, so we incorporate love, hope, curiosity, and play as the main ingredients of every artwork.
——Please tell us a little about each of your childhoods and also about your first memory of experiencing the joy of creation?
SAM I think I was pretty violent, but I was tough. There was a lot of trouble, always involved in all sorts of them. I grew up in Florida, which was kind of a swamp, like William Golding's “Lord of the Flies”. It was dark time and I was just trying to survive. It's a stark contrast to our lives today, where we are active warriors for love and peace. In those days, strangely enough, I would break toys with tools and bats and melt them together with the heat of a light bulb I had in the middle of the night to make strange plastic blobs.
TURY The most vivid childhood memories of creation were with my brother in Cuba, where I was raised. We would build these elaborate constructions in the backyard with found objects and developed an entire story line about the bricolages.
——Your solo exhibition “Ocean - Temple of the Sacred Heart” focuses on new paintings and sculptures based on the imaginary myth “Ocean”. Could you tell us about the ideas that inspired these works and how they developed?
SAM “Ocean” is a series of myths that represent a neo-naturalistic idea to bring people closer to their relationship with themselves and our living planet. The idea of “Ocean” came from us with a desire to create a new mythology that would unite people in a way that would explain what we have been doing the whole time. In other words, we are putting a modern spin on the origins of religion, focusing on beginnings, which is to throw out all previous ideas from all religions and countries and bring humans back to ourselves, back to Mother Nature and the gods of our origin. To begin with, we come from the sea, we are mostly made of seawater, and we have a heart that beats like a wave.
TURY It is also an effort to correct and rewrite the history of calling the earth we live on to “Ocean”. I feel that modern history prioritizes humans over nature. In the first place, the earth is blue, and there was never a brown planet, was there? In the same way, we wanted to present the myth of a new framework that aligns with our ethics in an ecosystem that goes beyond its current understanding. In order to rethink where we are and what the future holds, we wanted to return to a more holistic view of nature as a whole and realign human power dynamics with the planet.
——Animism, a theme that runs through FriendsWithYou's work, seems to resonate with Asian culture, including Japan. How do you think this culture has influenced you both?
SAM It has been a huge inspiration—the idea of animism, that everything has a soul and that the universe is acting in your favor, is at the heart of our main idea, the core of all our work, and we love playing with this idea. Japan has also been a great inspiration to us. Using symbols and characters to evoke emotions and inspire people is at the core of what we do.
TURY Although deeply influenced, when it comes to animism, I am very much influenced by Yoruba religion of West Africa, which my mother practiced in Cuba, and a very primitive belief system rooted in an animistic view of natural phenomenon, etc.
——The two of you literally work together on a piece of art without sharing roles, what is the first step like?
TURY Sometimes it starts with a conversation, other times we sit down and start drawing. We communicate both verbally and visually. We share references and ask each other, for example, “Have you heard about this myth?” And so on. It is amazing to get so comfortable with our creative wave of sharing each idea and remixing ideas together, and the collaborative process is very interesting. It is exactly the feeling of jumping into the ocean and seeing where the currents take you.
SAM Yes, it is. We both come with very fertile spring of inspiration. Each of us may bring to the work new myths we have read, art we have seen, experiences we have had in life, thoughts we have had from meditation, from experiments and research, etc. Working with another artist as powerful as myself allows me to realize ideas and visions that aren’t fully formed. It is wonderful that together, we can create new magical phrases and bring out the fullest expression of what’s inside us, often manifesting dreams in unexpected ways.
——By the way, how do you know the work is finished? Do you sometimes have disagreements?
SAM When we both like it because we both have to love it for it to go out into the world. Sometimes we run into difficult situations that we can’t figure it out on our own. In those cases, we push each other sharing ideas and mold them. So it's always an exciting adventure to see all the different ideas swirl together to create this beautiful show.
TURY Of course there are arguments where we try to express what is valuable to us. Sometimes we get emotional because we're passionate about it. But I feel that over the course of 23 years, we have found a way to talk about things in a more positive and mutually respectful way that builds something new.
——When you have lost confidence or hit a wall, how have you overcome it?
TURY I feel like showing up and trying is the one of the easiest ways to deal with that. And you have to get comfortable with failing and not being perfect. We are committed to a general direction: just be positive every day, show up, do your best, shower, eat dinner, work out, and try again until it works out. Having faith in the commitment to an idea leads to bigger ideas. That's why I don't believe in the concept of failure. We gain knowledge beyond failure, and we see value in every interaction.
SAM We don't always try to make things perfect. Because there is beauty in rough edges, ugliness, sometimes in humanity, and in strangeness. As things become more digitized, perfect, and beautiful, I think people will be attracted to things that are messy, have rough edges, and show moments of ugliness.
——How do you define art?
TURY Any human activity that channels what is undeniable to our will.
SAM Living dialogue of humanity presented as these ideas and creations.
——What do you believe is necessary for free and unbiased artistic expression?
SAM Just create from your heart with no fear!
TURY The will to fail.
——Why you work in a wide variety of fields, genres, and methods, including immersive installations, parades, sculptures, paintings, animations, live performances, and collaborations with brands?
TURY I have always thought that the idea that to make powerful art, an artist must be alone in the studio is outdated. In order to create truly modern and futuristic art, you need an even more powerful brain. So the idea of involving other artists, engineers, philosophers, and other collaborators was being a natural and doable form for us, as we have always collaborated together. I also think that the idea that artist as a solo are the only ones who create great art is also now a bit of a myth.
SAM We want to touch the whole world from the fine art to everyone, from small children, to the most academics, to the most humble or simple people.". Everyone is welcome into our ideas and dreams. So different types of works reach people in different ways. Even if we are not collaborating directly, those who join our community are equally interested in diversifying and pushing further their art works. And there is a unifying thread that return the power to all of our stories. That is a big part of the idea for “Ocean”. We are not only creators, we are artists inside of the story. And it is all artist and our stories that creates a new world, a new planet. Artists have ideas, and those ideas have power. So I believe that if we work together we can make something really powerful.
——How was the experience of your solo exhibition at PARCO MUSEUM TOKYO?
TURY Super excited this looks amazing it's beyond our expectations. It’s beyond our expectations and a truly magical space. I felt the ethereal other time and space, which doesn't make sense in this world, but it definitely is of this world, that feeling wanted to convey. We always aim for creating a memorable experience, and we are confident that this exhibition will definitely bring that.
SAM I am so happy to be able to be see this space where all of our works from the past few years come together to becoming a beautiful experience. I'm so proud of us and what we've made and when I see it together and witness the power, all the ideas and feelings that go into each piece and all that it takes for us to create it, it really fills me with joy and love.
——What do you think is the best feedback from the people who view your work?
TURY We always find it fascinating to hear how people experience our art. For us, art is almost like an experiment, trying out ideas and seeing how people feel, how they relate to it, how it sits with them. So when we get feedback, we can pay even more attention to what it looks like. Focusing on how people interact with art is a huge part of our art. There is a term called “relational aesthetics,” and we think real art is an actual experience created when viewers come to PARCO MUSEUM TOKYO and interact with the artwork.
SAM Yeah. We post our works online, but we cannot know how the people who see them actually experience. So it is always nice when people who see our art and experience them express to us what they feel. The good, the bad, the ugly, any emotion is the best feedback.
——What impressions do you have of Shibuya PARCO?
SAM We love PARCO, a definitive landmark of Tokyo and Shibuya! We are so happy about the opportunity for people to get experience our art here and we are also very grateful to NANZUKA family who are amazingly smart, kind and supportive of us.
TURY We have visited PARCO so many times even before it’s renewal. I have seen many great works in the galleries and museums, and PARCO has always been an inspiring place that proves that products need art and design, and encourages the creation of such.
——Do you have any anecdotes about this trip to Japan?
TURY I plan to blend in with the city of Tokyo, enjoy being here, eat lots of good food, and visit museums. For those of us who come from countries on opposite sides of the world, it is very exciting and interesting to know how the culture operates.
SAM We are planning to go to “Keiichi Tanaami: Adventure of Memory,” a large-scale solo exhibition by Keiichi Tanaami, who recently passed away. We were really happy to meet him and loved him so much. We also thinking about going to “Louise Bourgeois: I have been to hell and back. And let me tell you, it was wonderful” at the Mori Art Museum. This time many of our friends came from L.A., so we will hang along and show them new things. We will enjoy delicious foods in Japan, and hope to be inspired again by its culture.
- Information
- 展覧会
- 『Ocean - Temple of the Sacred Heart』
- 会場
- PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)
- 開催期間
- 2024年9月13日(金)~9月30日(月)
- 入場料
- 無料
- 主催
- PARCO
- キュレーション
- NANZUKA
- Official website
- https://art.parco.jp/museumtokyo/detail/?id=1563
- Official SNS
- Instagram(@parco_art)X(@parco_x)
FriendsWithYou
Arturo Sandvoal III(アルトゥーロ・サンドバル・III)
1976年 キューバ、ハバナ生まれ
Samuel Borkson(サミュエル・アルバート・ボークソン)
1979年 フロリダ、プランテーション生まれ
FriendsWithYou(フレンズウィズユー)は、マイアミ生まれのサミュエル・アルバート・ボークソンと、キューバのハバナ生まれのアルトゥーロ・サンドバルが、2002年に設立した2人組みのアートコラボレーティブ。彼らの作品は、体験、没入型インスタレーション、彫刻、絵画、アニメーション、ライブパフォーマンスとして具現化されており、The Museum of Contemporary Art (MOCA, LA)、インディアナポリス美術館 (IMA, インディアナポリス)、Haus der Kulturen der Welt Museum (ベルリン)といった美術館のパーマネントコレクションに収蔵されている他、Walker Art Center (ミネアポリス)、Hammer Museum (LA)、Santa Barbara Contemporary Arts Forum (サンタバーバラ)、Design Exchange (トロント)、NSU Art Museum (フォートローダーデール) などで展示されている。また、2018年には、NYにおけるMacy's Thanksgiving Day Parade のデザインを担当。2022年には、マイアミビーチ市が委託した「スターチャイルド」という巨大な鋼の彫刻が、W 41stとPine Tree Driveに設置され、市によって永久的なアートワークとして取得された。フレンズウィズユーは2014年5月にリゾリ出版からモノグラフ『We Are FriendsWithYou』を発表し、Netflixでヒットしたアニメーションシリーズ「True and the Rainbow Kingdom」も制作している。
FriendsWithYouは、“Magic”、“Luck”、“Friendship”というコンテクストに基づき、「新しい人間関係の構築」を提案する体験型の作品を生み出している。大掛かりなインスタレーションや没入型の展覧会プランを含む彼らの作品は、しばしば他者の存在によって初めてその作品が作用する「関係性の美学」という文脈に基づいて語られるが、その本質的な特徴は、イノセントな子供の視点を取り入れた、より直感的で、しばしば偶発性や遊びの観点を重要視するという点にある。そこには、人間の創造性が本来持っている自由な想像力、癒しの力、希望への原動力といった根源的なエネルギーに忠実であろうとするアーティストの姿勢があり、彼らの作品を通じて、私たちは自分自身や他者とつながり、友情を広げ、コミュニティを築き、自然界との関係を深めることができる。
Arturo Sandoval III
Born in Havana, Cuba, 1976
Samuel Albert Bokeson
Born in Plantation, Florida, 1979
FriendsWithYou is a two-person art collaborative founded in 2002 by Miami-born Samuel Albert Bokeson and Habana-born Altoro Sandbar, Cuba. Their works are embodied as experiences, immersive installations, sculptures, paintings, animations, and live performances, and are in permanent collections of museums such as The Museum of Contemporary Art (MOCA, LA), the Indianapolis Museum of Contemporary Art (IMA, Indianapolis), Haus der Kulturen der Welt Museum (Berlin), and the Walker Santa Art Center (Art Museum). Also in 2018, I was in charge of the design of Macy's Thanksgiving Day Parade in NY. In 2022, a huge steel sculpture called "Star Child" commissioned by the city of Miami Beach was installed on W 41st and Pine Tree Drive, which was acquired as a permanent artwork by the city. Friends with You published the monograph "We Are FriendsWithYou" from Rizoli Publishing in May 2014, and has also produced the hit animation series "True and the Rainbow Kingdom" on Netflix.
FriendsWithYou create experiential works that suggest "building new relationships" based on the context of "Magic", "Luck", and "Friendship". Their work, including large installations and immersive exhibition plans, is often spoken based on the context of "the aesthetics of relationships" in which the work acts only by the presence of others, but its intrinsic feature is that it is more intuitive and often emphasizes the point of view of accidentalness and play that incorporates an inocent child's perspective. There is the attitude of artists trying to be faithful to the fundamental energy of human creativity, such as the free imagination, healing power, and driving force for hope, and through their work, we can connect with ourselves and others, expand friendship, build communities, and deepen our relationships with nature.
https://friendswithyou.com/
Instagram(@friendswithyou)