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柄本時生×OUR LEGACY|服の奥に宿る、生き方のかたち

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柄本時生×OUR LEGACY|服の奥に宿る、生き方のかたち
柄本時生×OUR LEGACY|服の奥に宿る、生き方のかたち

「OUR LEGACY」2026年秋冬コレクションを纏って、柄本時生が渋谷PARCOをクルーズ。20歳の頃、初めて主演を務めた舞台でPARCO劇場のステージに立ったこの場所は、彼にとって俳優人生の原点のひとつだ。服が映し出す個性、受け継がれる言葉、心に残り続ける出会い――渋谷という変わり続ける街を歩きながら、彼自身が歩んできたこれまでの道のりを振り返った。

Photo
Kodai Ikemitsu(BE NATURAL)
Stylist
Emiko Yano
Hair&Make
Yuka Sumitomo(MARVEE)
Text
Hisako Yamazaki
Edit
Mariko Araki、Naoko Kinoshita(RIDE)

服が本来持つ機能と感情を追求。
「OUR LEGACY」が描く、“純粋さ”という思想

「純粋な衣服とは何か」という問いから出発した、スウェーデン発のブランド「OUR LEGACY」 2026年秋冬コレクション。ブランドが目指したのは、装飾やトレンドのノイズを削ぎ落とし、服が本来持つ機能と感情の両方と向き合うことだった。着想源となったのは、空軍メカニックのジャケットやミリタリーのボンバージャケット、ワークウェアの1940年代のグレートコートなど、特定の目的のために生み出された実用服。その原型に宿る明快さと誠実さを見つめ直しながら、OUR LEGACYならではの素材やカッティング、色彩によって現代的に再構築している。

今季を特徴づけるのは、ブラックを基調とした色彩や、どこか物憂げなシルエット。そこには悲哀や脆さといった感情が盛り込まれ、単なる機能服ではない人間味のある美しさが宿る。華やかさを誇示するのではなく、着る人の身体や所作によって完成する服。その存在感こそが、コレクション全体を貫くテーマとなっている。

柄本時生さんが着用したのは、ブランドの美学を象徴するルックのひとつ。ブラックのノースリーブニットにデニムを合わせたミニマルなスタイリングは、一見すると極めてシンプル。しかし、そのシルエットやバランスには計算された緊張感が宿り、ワークウェアやミリタリーウェアの機能性を現代的な感覚で昇華したOUR LEGACYらしい佇まいを見せる。
「攻めてますよね。ブランドが表現したいことがすごく感じ取れる。極めてファッショナブルだから、僕は面白いなと思いました」

服を見ればわかる、
その人だけの物語

昨年6月、OUR LEGACYは日本初となる旗艦店を渋谷PARCOにオープン。ブランドが追求するのは、流行に左右されない“長く残る衣服”の価値。店内は無機質な素材と温かみのある質感が共存するミニマムな空間に仕上げられ、服そのものの存在感が際立つ設計となっている。メンズ、ウィメンズのフルコレクションを展開するほか、ブランドの世界観を体感できる特別な空間としても機能。2026年秋冬コレクションが掲げる“純粋な衣服”という思想を、空間を通しても表現している。

柄本さんのスタイリングの主役となるのは、無骨さと洗練さを併せ持つレザージャケット。コンパクトなシルエットの黒の革ジャケットに鮮やかなブルーのシャツ、光沢感のあるデニムを合わせ、クラシックな要素を持ちながらもどこか反骨的なムードを漂わせている。
「すごくかっこいいですよね。長年着ていたら味がどんどん出てくるだろうなっていうのがわかるような着心地で。服装ってカルチャーを感じさせてくれるというか、自分の気持ちを違う場所に連れて行ってくれるものだと思うんです。ファッションの魅力は“個性”。人間が見えるというか。その人の歴史みたいなものが服に表れるのは、とても魅力的なことだと思います」

アウター ¥250,800、シャツ ¥66,000、ボトム ¥112,200、ベルト ¥74,800、シューズ ¥212,300

全力で向き合い、潔く手放す
俳優・松山ケンイチが示した格好いい生き方

柄本時生を形作ったものは何か――その問いに対し、彼が挙げたのは、14歳から身を置いてきた数々の“現場”だった。
「人間形成という意味では、やっぱり仕事の現場だったのかなと思います。14歳からこの仕事を始めて、思春期の頃からいろんな大人に出会ってきました。映画のスタッフさんだったり、監督だったり。僕は映画という場所で育った感覚があるんです。だから、一つひとつの現場が僕を形成してくれたんじゃないかなって思っています」

これまで多くの先輩たちから影響を受けてきたという柄本さん。その中で最近、特に憧れを感じた人物は俳優の松山ケンイチさんだった。
「6年くらい前に、プロボクサー役の作品でご一緒したんです(映画『BLUE /ブルー』2021年)。その作品のためにボクシングをやっていて。松山さんも撮影の1年くらい前からジムに通って、すごく熱心に取り組んでいたのを見ていました。その映画の撮影が終わって、1週間後ぐらいにみんなでご飯を食べたんです。そのとき僕らは『まだジムに通ってるよ』なんて話していたんですけど、松山さんだけ『もうやめたよ。ボクシング向いてないんだよね』って(笑)。あれだけ熱心に1年以上やっていたものを、こんなにあっさりやめるんだって驚きました。でも、そのとき松山さんが『仕事だもん』って言ったんです。仕事のためにやっていたから、終わったらやめる。それがすごく格好よくて。僕は目的もなく続けようとしていて、その潔さにハッとさせられました。もちろん、何かをずっと続けることの素晴らしさもある。でも、そのときの松山さんの『必要なときに全力でやって、終わったら手放す』という姿勢は、本当に格好よかった。あの潔さには憧れますね。だから、僕は“マツケン”ファンなんですよ!」

「ちゃんとしろよ」――
心の奥に残る、人生の指針

「LEGACY(受け継がれるもの)」というブランド名にちなみ、彼自身が大切にしている価値観や、人生の中で受け継いできたものについて尋ねると、柄本さんはある人物からかけられた言葉を挙げた。
「ここ最近、すごく思い出す言葉があるんです。兄の事務所の社長さんが今年亡くなられたんですけど、その方に言われた『ちゃんとしろよ』という言葉。僕が19歳、兄が22歳くらいの頃に二人芝居を始めようと、それぞれの事務所に挨拶に行ったんです。そのとき、その社長さんから言われたのが『ちゃんとしろよ』というひとこと。当時からその言葉は頭のどこかにあったんですけど、亡くなられてから、より強く自分の中で響くようになりました。改めて考えると、『ちゃんとする』ってほんとに大事なんだなって思うんです。今の時代にはなかなかいないような、すごく昭和っぽい方で。大きな灰皿が置かれた社長室で待っていたら、遅れて入ってきて、机に足を乗せながら『なんだよ』って。俺はもう緊張して何も話せなかったんですけど、兄が『二人芝居をやろうと思ってます』と言ったら、『いいじゃねえかよ。ちゃんとしろよ』って。それだけだったんです。

今思うと、きっと若かった僕らに対して、あえてそういう態度をとってくれていたんだと思います。普段はそんな人じゃないのに、子どもにハッタリをかける……じゃないですけど、その言葉を心に残そうとしてくれたんじゃないかなって。だから今でも何かあるたびに、『ちゃんとする』という言葉が浮かびます。自分にとっては、ずっと受け継いでいきたい大事な価値観のひとつです」

トップス ¥112,200、ボトム ¥89,100、ベルト ¥59,400、ブーツ ¥212,300、サングラス ¥60,500、グローブ ¥82,500
ショップ名
OUR LEGACY
フロア
2F
電話番号
03-6820-0517
公式ブランドサイト
https://www.ourlegacy.com/
公式SNS
Instagram(@ourlegacy

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柄本時生

1989年10月17日生まれ、東京都出身。2003年、オムニバス映画『Jam Films S』内『すべり台』に出演し俳優デビューする。2008年『俺たちに明日はないッス』で映画初出演。兄の佑とともに演劇ユニットを結成する。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。独自の存在感と演技力で、コミカルな役からシリアスな役まで自在に演じ分ける実力派として高い評価を得る。2026年7月3日(金)公開の映画『口に関するアンケート』への出演を控えるほか、9月4日(金)〜13日(日)には、飯塚健が演出・脚本・選曲を手がける舞台コントと音楽vol.7 『今宵、丸の内で』に出演予定。
Instagram(@emototokio1989

 

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