COLUMN:
2020あったかコラムA to Z(2)
Edit Gabin Ito、 Toshiko Nakashima text Gabin Ito(ガ), Shinya Yashiro(や)、Chika Goto(ご)、 Toshiko Nakashima(な) illustration Hagie K assit Rina Iwamoto
F
FARMING
歩道のトウモロコシ
「パンデミック・ガーデン」が、欧米では流行っているらしいです。ウイルスをまき散らす庭では、もちろんなく、コロナ禍中につくられた家庭菜園のこと。カナダでは、全国民の20パーセント近くが、新しく庭いじりを始めたという統計も。モニターばかり見つめている生活が続くと、土や植物、天気と向き合うリアルな時間を人間は求めるものらしい。野菜を育てて自給自足を目指した人も少なくなさそう。ネット通販だと、ホウレンソウの種の売り上げが前年比4倍になったという報道も。ニューヨークでは家の前の歩道に植えられたトウモロコシが話題に。いきなりご近所から野菜がおすそ分けされたりして。(や)
Exciteニュース記事「〈企業・経済深層レポート〉コロナ禍で家庭菜園ブーム到来」
G
GOTOEAT
8つの顔を持つ「専門店」
専門店ってなんだっけ。コロナのせいで苦しむ飲食店が、次々とデリバリーを始めた。店側としてはサバイバルするため苦し紛れに始めたことかもしれないけれど、食べる側にとってみれば大歓迎。いろーんなデリバリーを試してみた人も多いことでしょう。海鮮、とんかつ、タイ料理。専門店のご飯はやっぱりうまいなーなんて思ってね。痛快だったのは、1店舗で複数の「専門店」を名乗る多毛作デリバリー。おそらくはひとりのシェフが、最大で8店舗ほどの「専門店」を名乗ったりしてる。お客さんが満足したらよいってことなのかどうか。いずれにしても「専門店とは?」を問うていることが素晴らしい。(ガ)
YAHOO!!JAPANニュース記事『ひとつの店が複数の「専門店」を名乗りウーバーイーツに出店 法的な問題は?』
SOURCE:The Hershey Company
H
HALLOWEEN
どこでもドアが来る!
日本にもすっかり定着したハロウィーン。大人を中心とした仮装集団が無秩序に集合しているイメージが強いですが、本家本元アメリカでは「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」とお化けに仮装した子どもが大人を脅す。仮装は家でもできるけど、お菓子をもらうために出歩くのはZoomだと難しそう。かわいそうな小さなお化けたちのために、アメリカのお菓子メーカーが発表したのは、最新のロボティクスを投入した「動くドア」。出向けないなら、ドアが来ればいいという逆転の発想の素晴らしさ……、というよりもドアが勝手に動く様子はどう考えても超自然的なものの仕業。ハロウィーンへの愛が生んだ新しいお化けです。(や)
HERSHEY公式サイト
写真:アフロ
I
ISOLATION
長〜い帽子で飛沫帽子
4月、中国の杭州市の小学生たちの、むちゃんこ可愛い画像が世界を駆け巡った。それは横に長〜い棒が突き出た自作の帽子で、これは子どもたちが自動的に1m以上のソーシャルディスタンスを保つという機能があるわけですね。でもこの帽子、単にかわいいだけじゃないんです。実はこれは宋の時代の皇帝や役人の被っていたヘッドピースからの引用なんです! むかーしの偉い人たちの被っていた帽子にも長〜〜い棒状のものがついていたんですよ。しかも棒の意味はいまひとつはっきりしていないんだとか。一説によれば、人々のおしゃべりを防ぐためとか? だとしたら、おしゃべり飛沫を防ぐコロナ対策とほとんど同じでは?(ガ)
人民網日本語版記事「学び舎に戻ってきた「小さな神獣たち」!中国各地で次々登校再開へ」
J
JUSTICE
蘇我氏の「蘇」で覚える
これはみんなもきっときっと忘れていると思うんだけど、古代日本の乳製品「蘇」のレシピがSNSを猛烈な勢いで駆け抜けましたよね。あれなんだったんだろう〜と苦笑せずにはいられないんだけど、心温まるバズりだったなと思うんす。あの経緯は確かこんな話。学校が突然休校になる→給食用に用意されていた食材が行き場を失う→大量の牛乳が余りまくる→酪農家困り果てる→農林水産省も牛乳・乳製品の消費に協力を訴える→誰かが古代の牛乳大量消費乳製品「蘇」のレシピをSNSに投稿→バズりまくる。なんて美しい話なんでしょう。危機的状況は助け合いの心を育てますね。これが本当の正義の姿かも。(ガ)
『SNSでよみがえる古代チーズ「蘇」って何?60分で作る簡単レシピ』
K
KIDS
難しい会議もこれで解決
テレカンで、一番心が温まるもの。それは会議相手の家にいる子どもが、ふとした瞬間にワイプインし、カメラを意識して手を振ったりする光景かもしれません。そういえば3年前、BBCでインタビューを受けている大学教授の部屋に子どもが乱入、それを止めようとする母親の必死さも相まって「BBCのパパ」として話題になったのでした。検索してみると、コロナ真っ盛り3月には、ロックダウン下での子育てについて一家でインタビューを受けたというほっこりエピソードが。自宅のなかで仕事とプライベートがごちゃまぜになることが当たり前になりつつある今、あのときのドタバタの新鮮さも少し懐かしいかもしれません。(や)
『あの「BBCパパ」、自宅勤務は「大変」 例の書斎から家族と』
L
LABYRINTH
はとバスの巨大迷路
Go Toトラベルもなんだかんだで、そろそろ大好きなはとバスに乗りたい!…自粛期間中に乗れなかったはとバス、ますます好きだー!と思わせてくれたのがコレ。稼働していない大型観光バス60台が大田区のはとバス駐車場に全員集合! ピッチピチに止めて全長600m(縦横50m)の巨大迷路を作ったのだ。通路の幅は80cmというギリギリで、わざと通り抜けできなくするために車幅を20cmまで近づけた箇所もある。さすがの運転技術で見たこともない景色が完成した。期間限定のツアーだったが、運良く体験できたバスマニア&迷路マニアは大喜び! そしてバスたちは、静かにそれぞれの持ち場に散っていった。(な)
「はとバス巨大迷路 ぐるっと回って 22日まで限定ツアー」
Twitter(@takemuramura)より
M
MESSAGE
ころなのくすりをさがしに!
コロナは、子供たちにも、せかいがたいへんなことになっている!と心配させているみたい。放送作家の竹村武司さんはパンデミックが始まってからまだ間もない3月、Twitterに「妻が5歳の娘に真剣な顔で『私、この家を出ていくね』と言われ、この手紙を渡されたらしい。勇者は旅の準備を終え、いま爆睡してます。」と投稿しました。添えられた写真を見ると幼い子らしき文字で「ままへ♡あたしでていくよだってころなのくすりをがんバってさがしにいきます おねがいします」(原文ママ)と、切々とした宣言が書かれていたのだった。果たして「くすり」は見つかったのか? 意外な結末はネットで検索だっ。(ガ)
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