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Interview 阿部顕嵐|舞台「ラビット・ホール」

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Interview 阿部顕嵐|舞台「ラビット・ホール」
Interview 阿部顕嵐|舞台「ラビット・ホール」

今年開場50周年を迎えるPARCO劇場で4月9日(日)より『ラビット・ホール』が上演される。傷ついた心が再生に至る道筋を繊細に描き、2007年にピュリツァー賞を受賞。2010年にはニコール・キッドマンの製作・主演で映画化され、数多くの映画賞に輝いた傑作だ。

物語の舞台はニューヨーク郊外。幼い息子を交通事故で亡くし、悲しみに暮れる若い母親ベッカは、悲しみとの向き合い方が自分と全く違う夫や、彼女を慰めようとする妹と母親の言動にかえって傷つき、苛立ちを募らせる。そんなある日、事故の車を運転していた高校生ジェイソンから、会いたいという手紙が届く……。

期せずして加害者となってしまったジェイソンを演じるのは、人気グループ・7ORDERのメインボーカルであり、俳優として舞台や映画、ドラマなどでも活躍している阿部顕嵐(オーディションで抜擢された山﨑光とのダブルキャスト)。さて、気鋭の演出家・藤田俊太郎のもと、難役にどう挑むのか? 稽古に臨む阿部の胸中と素顔に迫る。

Photo
Sachiko Saito
Hair&Make
Akari Isono
Text
Kaori Okazaki
Edit
RIDE Inc.

――今回がPARCO劇場初出演の阿部さん。出演が決まった時の感想から聞かせてください。

すごく嬉しかったですし、正直びっくりしました。7年くらい前ですかね。三谷幸喜さん作・演出の香取(慎吾)くんと草彅(剛)くんの二人芝居(2015年、『burst!~危険なふたり』)を、PARCO劇場に観に行かせてもらったことがあるんです。それがすごく面白くて、二人でこんなすごいことができるんだ!と10代ながらに思いました。まさか、その劇場に自分が出演できるなんて。そうそう立てる場所じゃないとわかっているだけに、本当に嬉しいです。

――7ORDERの皆さんは、どんな反応を?

たぶん、何かのイベント終わりだったと思うんですが、ライブのスケジュールとの兼ね合いもあったりするので、メンバーがそろっている時に、僕の口からみんなに伝えました。そしたら、みんな「すごいね」と喜んでくれて、「頑張って」「絶対観に行くから」と言ってくれて。本当にありがたかったです。

――出演作は、米国の劇作家デヴィッド・リンゼイ=アベアーの傑作『ラビット・ホール』。最初にタイトルを聞いて、どんなイメージが浮かびましたか?

単純に「ラビット・ホールって、どういう意味だろう?」というところから始まって、「ラビットって、ウサギだよな」とか、「ウサギの穴って、どういう意味だろう?」とか、そんな感じでした。その後、台本を読ませてもらって、物語の中でその言葉が意味するものがわかった瞬間、ちょっと衝撃があったというか、ハッとしたんです。たぶん、僕と同じような感覚を、観に来た方にも感じていただけるんじゃないかなと思います。

――映画化もされていますが、阿部さんはご覧になっていますか?

はい。参考になればと思って。でも、演出の藤田さんも「別物だと考えていい」とおっしゃっていたので、あまり意識はしてないです。映画と舞台の台本では違うところがあるし、僕達は日本で、藤田さんの演出で舞台を作っていくわけだから、自然と違う形になっていくだろうなと。

――演出家の藤田さんには、どんな印象をお持ちですか?

実は、みんなで稽古を始める前に、藤田さんが何度か時間を作ってくださって、作品の時代背景とか台本の読み解き方について、個別にレクチャーしてくださったんです。それが本当に嬉しくて、ありがたくて。すごく勉強になりました。僕も、自分の役がどういう意図でこのセリフを言っているのか、自分なりに考えていたつもりでしたが、藤田さんはもっとずっと深いところまで考えていて、藤田さんみたいになりたいなって、思いましたね。藤田さんのお芝居に対する姿勢とか台本を読み解く力を、稽古の間にどんどん吸収して、この作品をもっともっと深いところまで知っていきたいなと思っています。

――ベッカ役の宮澤エマさんをはじめとする、共演者の皆さんの印象はいかがですか?

ピリッとした空気なんだろうなと思って、覚悟して稽古場に行ったんですけど、皆さんすごく柔らかい雰囲気で、稽古初日から楽しく話せました。なので、恵まれた環境で、楽しくやっていけそうだなというのが、今の気持ちです。ダブルキャストの山﨑(光)くん以外の男性キャストは成河さんだけなんですが、何か気が合いそうだなと、僕は勝手に思っていて(笑)。というか、僕と山﨑くんを入れてもキャストは6人しかいないですし、皆さん気になる方ばかりなので、お一人ずつ30分くらい個人面談させていただきたいです!(笑)

――ご自身が演じる高校生ジェイソンのことを、現時点でどう捉えていますか?

犬を追いかけて飛び出してきた子どもを避けられなかった、複雑な立場ですよね。年齢的には、少年と大人の境目くらいにいると思うんですけど、少年みたいに純粋無垢で、しかも人とちょっと違う感覚があるところが、ポイントだなと思っています。自分で台本を読んでいる時に、悪意がない人だなとは感じていたんですけど、藤田さんと話している時に、「ジェイソンはもともとの性格として、空気を読めないところがある」とおっしゃっていて、なるほどなと。難しいですけど、変に子どもっぽく演じたりはせずに、探りながら挑戦していきたいです。

――作品自体の魅力を、どんなところに感じていますか?

もちろんシリアスなところもあるんですが、家族の日常の中に、結構笑いも散りばめられているところが、僕は好きだし、面白いなと感じています。台本をみんなで読み合わせた時に、僕は普通に素で笑っていました。その一方で、とても繊細な作品だけに、一つ何かが起きたら、全部崩れてしまうんじゃないかと思うくらい、ピーンと糸が張っているような状況で物事が進んでいくシーンも多くて。そこを大切にして、自分も繊細に演じたいなと思っています。

――舞台の本番中に、7ОRDERのライブツアーもあって、大活躍の春になりそうですが、頭の切り替えは早いほうですか?

一つの作品が始まると、ガーっと入り込むタイプなので、なるべく早く切り替えができるようにしたいと思っています。でも今、稽古場に入ってその雰囲気を感じると、自然と頭が切り替わっているので、きっと大丈夫じゃないかな。まあ、その分、別の仕事のことをすっかり忘れてしまったりするんですけど(笑)。

――多忙な中、体調管理はどうしていますか?

ジムには結構行ってますね。一人だけの時間なので、色々考えることができるし、ストレス発散にもなります。あと、ハーブの専門店で、僕の体に合わせてフルオーダーでブレンドしてもらったお茶を、毎日水筒で稽古場に持って行って、飲んでます。家では、お酒に漬け込んだ別のハーブを毎日ちょっとずつ飲んでるんですけど、それを作るのも結構楽しいし、実際、体調もいいんですよ。

――きちんと健康に気を付けていて素晴らしいです。

口に入れるものには、やっぱり気を遣いますね。だから、食べ物の成分とかカロリーも気になるし、あと、玄米を食べるようにしています。そうやって、普段から体調管理をしておけば、食べたくなった時に、大好きなトンカツを食べても、大丈夫だと思っているので(笑)。

――なるほど(笑)。『ラビット・ホール』で描かれる夫婦のように、悲しみや辛い出来事への向き合い方は人それぞれです。阿部さんはどういうタイプですか?

やっぱり人間だから、落ち込むことはありますけど、基本的にはポジティブな性格だし、自分に自信があるので、あんまりネガティブなほうには落ちないですね。ただ、落ちる時は、とことん落ちてやろうとは思っています。とことん落ちたら、あとはもう上がっていくだけだから。大事なのは、落ち込むことを否定しないというか、自分の辛い状態も否定せずに、受け入れることじゃないですかね。そこを拒絶すると、楽しいことも受け入れられなくなる気がします。昔、自分の辛い気持ちをシャットアウトしてたら、楽しいことまで感じられなくなっちゃうなと思った瞬間があったんですよ。なので今は、なるべくありのままを受け入れて、一喜一憂しています。

――「自分に自信がある」とサラリと言える阿部さん、カッコイイです。自分に自信が持てるようになったのは、いつ頃ですか?

やっぱり20歳……いや、23歳くらいかな。10代後半は、僕自身、色々な経験をたくさんさせていただいて、気持ちもブレブレでした。そういう時期を経たからこそ、今があるんだと思います。

――『ラビット・ホール』は家族の話です。阿部さんが、親御さんの愛情を実感したエピソードを教えてください

僕はこの間、5~6日くらい大阪に行っていたんですけど、留守の間、僕の家に母と叔母が泊まりに来ていました。随時、連絡がくるんですよ。「ご飯食べます」とか「部屋、片付けたよ」とか、写真が送られてきて(笑)。そういうときは、やっぱり愛情を実感しますね。

――「人の家に勝手に入って、掃除するな!」なんてことにはならないんですね。

そういう時期もありましたよ。初めて一人暮らしをした18歳の時は、「絶対来るなよ」みたいな感じでした。でも今は、そういう気持ちは全然ないですね。なんなら、母から「味噌汁とご飯も作っといたよ」って連絡が来ましたから(笑)。僕は、「たぶん家でご飯は食べられないから、要らない」って言ったんですけど、「いや、作りすぎちゃったから、残しておく」って。そっちの都合かい!残り物なのかい!と思ったんですけど、なんか笑っちゃいました(笑)。ありがたいですよ、本当に。

――素敵な親子関係ですね。阿部さんが今後、挑戦してみたいことを教えてください。

たくさんあります。たとえば、顕嵐という僕の名前は、海外でもそのまま通用するので、海外の仕事もしてみたいと思っていて。それでずっと、英語のレッスンを受けているんです。もちろん、日本での仕事もたくさんしたいです。どれか一つなんて挙げられないくらい、何でもやっていきたい。なおかつ、海外のオーディションにもどんどん挑戦していきたいですね。

――最後に改めて、舞台『ラビット・ホール』への意気込みと読者へのメッセージをお願いします。

舞台を普段あまり観る機会がない方は、敷居が高いなと思うかもしれないですけど、ぜひ気軽に来ていただいて、いろんなものを感じ取ってもらえたら嬉しいです。正直、「楽しい作品です」と言ったら嘘になるし、派手さもないかもしれない。でもきっと、感情移入できる登場人物がいると思うので、自分を見つめ直すこともできるんじゃないかと思います。僕も、僕らが今これをやる意味を稽古の間にしっかり見つけて、思いを作品に込めて渡したい。この作品を観てくださった人の日常が何か少し変わったり、何かを始めるきっかけになったら本当に嬉しいです。

――思いを観客に直に渡せるのは、舞台ならではの醍醐味ですね。

そうですよね。逆に、僕らもお客さんからもらうものがたくさんあるんです。劇場は、そうやって、渡したり、もらったりができる場所。とても観やすくて、赤い椅子や絨毯がカッコイイPARCO劇場に、ぜひいらしてください。

上演作品
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「ラビット・ホール」
場所
PARCO劇場
公演期間
2023年4月9日(日)〜 4月25日(火)
入場料
¥11,000(全席指定・税込)
U-25チケット ¥6,000
※観劇時25歳以下対象、要身分証明書(コピー・画像不可、原本のみ有効)、当日指定席券引換/「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみの取扱い、指定席との連席購入不可(連席ご希望の場合は指定席をご購入ください)
公式サイト
https://stage.parco.jp/program/rabbithole/
※他、秋田・福岡・大阪公演有
チケット発売中
ショップ名
PARCO劇場
フロア
8F
公式サイト
https://stage.parco.jp/
公式SNS
Instagram(@parco_stage)Twitter(@parcostage

PARCO劇場オリジナルグッズ [観劇ノート(サイン入り)] プレゼント

2023年3月28⽇(火)~4月4日(火)の期間中、渋谷PARCO公式SNSにてプレゼントキャンペーンを開催いたします。
下記方法にてプレゼントへご応募ください。


<応募方法>
①Instagram公式アカウント「@parco_shibuya_official」をフォロー
②3月28⽇(火)にUPされた公式SNSのPARCO劇場オリジナルグッズ [観劇ノート]対象投稿に、Instagramから応募の場合「いいね!」とコメントをお願いします。

ご参加いただいた皆さまの中から、抽選で計3名様にプレゼントいたします。 ご当選の方へDMにてご連絡致しますので、渋谷PARCO公式Instagramのフォローをお願いいたします。


※アカウントが非公開設定の方、フォローが外れている方は抽選対象外となります。
※応募はお一人様一回限りと致します。
※既にフォローいただいている方も参加対象となります。
※当選の権利はご当選者様本人のものとし、第三者への譲渡(有償・無償を問わない)・換金を禁止させていただきます。



<当選発表>
厳正なる選考の上、2023年4月中旬頃、当選者にのみインスタグラムのダイレクトメッセージにてご連絡し、賞品の発送をもって当選に代えさせていただきます。また、賞品の発送は2023年4月下旬を予定しております。諸事情により多少前後する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

※賞品の発送先は日本国内に限ります。お客様のご住所・転居先不明などにより、お送りできない場合がございます。
※期日内にダイレクトメッセージへの応答のない方・当選連絡後、住所等の情報のご提供のない場合は、当選が無効となります。
※当選された方から提供いただきます個人情報は、本キャンペーンの当選のご案内・賞品発送にのみ使用いたします。
※当選理由についてのお問合せは一切受け付けておりません。
※ソーシャルメディアの運用を妨害する行為、趣旨に反する行為、弊社が不適切を判断する行為は禁止致します。
※当キャンペーンはFacebook社Instagramとは一切関係ありません。
※本キャンペーンは、予告なく変更・中止する場合がございますので予めご了承ください。

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阿部顕嵐

1997年8月30日生まれ、東京都出身。俳優としての活動を中心に、映画、ドラマ、舞台と幅広い作品に参加。主演映画「ツーアウトフルベース」、主演ドラマ「さよならハイスクール」や、舞台作品『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage、「October Sky -遠い空の向こうに-」、映画『君の名前で僕を読んで』朗読劇等の作品に多数出演。今年4月にはPARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ラビット・ホール』へ出演する。また、7人組グループ「7ORDER」のボーカルとしての音楽活動や、自身のオリジナル映像やグッズの企画プロデュースなど、活動は多岐にわたる。
Instagram(@alanabe_official

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