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シャラ ラジマ×UNDERCOVER NOISE LAB|アイデンティティをあえて覆うとき、見えてくる本当の自分

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シャラ ラジマ×UNDERCOVER NOISE LAB|アイデンティティをあえて覆うとき、見えてくる本当の自分
シャラ ラジマ×UNDERCOVER NOISE LAB|アイデンティティをあえて覆うとき、見えてくる本当の自分

2023年、「Forbes JAPAN 30 UNDER 30(世界を変える30歳未満)」に選ばれたシャラ ラジマさん。常識を鵜呑みにせず、国籍や人種の区別にとらわれないボーダーレスな新しい価値観を発信する彼女のメッセージは、今を生きる多くの人々に響き、共感を得る。昨年9月にパリで行われたUNDERCOVER 2024 Spring - Summer Women’s Collectionにも訪れた彼女が、渋谷PARCO 2Fの「UNDERCOVER NOISE LAB」をショップクルーズ。あえてヴェールで包んだ服を纏ったときに、見えてきたファッションの魅力とは――。

Photo
Kisshomaru Shimamura
Stylist
Natsumi Ogasawara
Hair&Make
Takeru Urushibara
Text
Hisako Yamazaki
Edit
RIDE Inc.

薄れていく記憶のように流れていく服。
UNDERCOVER 2024春夏コレクション

霧が立ち込めるランウェイ。それは闇の中にうっすら見え隠れするような美しく儚げな世界――UNDERCOVER 2024 Spring – Summer Women’s Collectionのテーマは「Deep Mist」。肌が透けて見えるようなシアーな素材をキーエッセンスに、すべての服にシルクやオーガンジー、チュールのような透ける布を採用。垂らしたり、包んだりと様々な方向性で“ミスト”のようなエッセンスを服に加えることで、デザイナー 高橋盾氏は自分自身が作ったデザインを一度消して、新しいものを作るというファッションの新たな可能性に挑戦した。
昨年9月、実際にパリで同コレクションに参加したシャラ ラジマさん。「UNDERCOVERは、モードのなかにユーモアをぶち込むのがとても上手なブランド。春夏のショーではひらひらするシフォンのような素材が、たくさん使われていて。いちばん印象的だったのは、顔を覆っていたヴェール。バラクラバの進化系のような透けるヴェールは、本当に斬新でした」

シューズ UC1D1F01(UNDERCOVER x GUIDI)¥396,000

闇の中に見え隠れするシュールな世界を体現した
ネオ・ラオホとの初のコラボレーション

シャラさんが着用するルックは、デザイナー 高橋盾氏がかねてから尊敬していたドイツの現代アーティスト Neo Rauchの絵画を起用した春夏の新作。“Deep Mist”というコレクションのテーマが彼の世界観と共鳴し、初めてのコラボレーションが実現した。
「実際にショーでは、様々な系統の服が登場していた印象でした。初めはポップなものから、モデルがランウェイを歩くごとに不思議とどんどん会場の雰囲気と服がマッチするような感覚に惹き込まれ、最後に暗闇の中で蝶がライトに照らされたドレスが出てきたとき、すべてが一体化するような統一感があって。最後の瞬間の“ここ”に向かって、ショーがすべて設計されていた――その物語に感動しました」とシャラさん。

ブルゾン UC1D1201-3 ¥143,000(参考価格)、パンツUC1D1502-2 ¥66,000、イヤリング UC1D1R51-1 ¥15,400
© 2023 Neo Rauch, VG Bild-Kunst, Uwe Walter, Berlin.

ファッションは自分の殻を破って、
スピーディに表象を変えてくれるもの

「ファッションは着てみるまでわからない。私は特に表象の重要性をわかっていなかった人なんですが、芸術という分野のなかでも特にファッションはその大切さを教えてくれるジャンルだと思います。私はモデルの仕事をするまで、『私にはこういう色と形が似合う』と決めつけていたけれど、実際に仕事でいろいろな服を着てみると、年齢だけでなく季節や時代のムードによって似合うものが変わったりと、自分の中の価値観が大きく揺さぶられることがたくさんあったんです。自分が描いていた自分自身のイメージって、実はすごく固すぎたんだとわかった。ファッションは、いちばん手っ取り早く自分の殻を破ってイメージを変えてくれるものなのかもしれないと、今は感じていて。自分に表象の重要性を常に思い出させてくれる存在です」

シャラさんの目を見て話していると、透き通るような青みがかったグラデーションの瞳へと自然に惹き込まれてしまう。それは、本来の自分の瞳の色とは異なる大好きなブルーという色で覆ったことで見えてきた、彼女のアイデンティティ。
「なんで惹かれてしまうのかわからないけれど、ブルーが大好きなんです。昨年の夏、断食を3日間したときすごく視力が良くなった感覚を得て。そのときに、ブルーの色だけがパッと目に飛び込んで来るようになった。“ブルーが覚醒する”という中島らもさんのエッセイを以前に読んだことがあったのですが、まさに私もブルーが飛んで見えるような感覚だった。私の好きな映画は北野武さんの『ソナチネ』、好きなアートは直島で観たジェームズ・タレルの作品。不思議と私が直感で好きになるものは、ブルーがかっているのかもしれません。この間、日本からパリ行きの飛行機のなかで、オーロラを偶然見ることができて。寝て起きたときに窓の外をふと見たら、目の前にグリーンやブルーの光がうごめくとっても美しいオーロラで。並行した視点で、横から見るオーロラは格別でした。そのことを友人に話したら『飛行機でオーロラなんて滅多に見られないよ』と言われ、とても貴重な体験をしたんだなって。本能なのか…………ブルーという色になぜか強烈に惹きつけられ、いつも良い巡り合わせをしてくれている気がするんです」

ヨーロッパのファッションウィークで
初めて体験した、“外国人であること”

90年代の日本で生まれ、両親のルーツであるバングラデシュで幼少期を過ごし、10歳から両親の仕事の関係で東京・北区へと移住し下町で育ったシャラ ラジマさん。コレクション滞在時のヨーロッパで初めて知った、新しい自分自身への視点を教えてくれた。
「私は、ルーツである国と日本の両方をベースにしてきたのですが、自分が暮らしてきた環境のなかで、言葉が通じないことを今まで経験したことがなかった。でも、母国語が通じない海外のコレクションへ行くようになって、自分自身が『外国人になった』という面白さを初めて経験しました。『どこから来たの?』と聞かれて『from Tokyo』と答えると、『えっ? フロム東京?』みたいな(笑)。どちらかと言うと、ヨーロッパ側にいる若者として溶け込んでしまっているように見える私が、『東京から来たんだよ。ネイティブは日本語だよ』と言うと、『どういうこと!?』とみんなが驚いて、何度説明しても理解してもらえない(笑)。みんなに驚かれることに、逆に私が驚いて……。海外の人には、今、東京という街が多様性にあふれている事実をまだ知られていなくて。実は私のように南アジアや日本以外の外国をルーツに持っている人も東京にはたくさんいることを、ヨーロッパに住む人は知らないんだと実感しました。それは、とっても新しい経験でした」

ショップ名
UNDERCOVER NOISE LAB
フロア
2F
電話番号
03-5422-3585
公式ブランドサイト
http://www.undercoverism.com/
公式SNS
Instagram(@undercover_lab
X(旧Twitter)(@undercover_lab


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シャラ ラジマ

モデル・文筆家。東京・北区育ち。「褐色の肌に金髪、青い目のモデル」という容姿でモデルとして活動。あえてヘアを金髪に染め、青いカラーコンタクトをし、容姿からは人種が容易に判断できないようにすることで「私は何人でもない」というコンセプトのもと、人種のボーダーレスを表現している。2023年に発表された「Forbes JAPAN 30 UNDER 30(世界を変える30歳未満)」を受賞。唯一無二のキャラクターと独自の視点を活かし、バラエティ番組や報道番組でも活躍中。bayfm「シャララ島」レギュラー出演中(毎週金曜日28:00〜)。
Instagram(@lalazima_

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