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千葉雄喜×THOM BROWNE|静寂と想像のはざまで、生み落とされるファンタジー

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千葉雄喜×THOM BROWNE|静寂と想像のはざまで、生み落とされるファンタジー
千葉雄喜×THOM BROWNE|静寂と想像のはざまで、生み落とされるファンタジー

2020年KOHHとしての引退を表明し、2024年2月に本名で活動を再開した千葉雄喜さん。現在は、地元である北区王子のセレクトショップ「Dogs」のディレクションや、文芸誌『文學界』での連載、Yan Seku初のソロアルバムの総合プロデュースなど、多岐にわたる表現活動を続けている。唯一無二の存在感を放ち、クリエイティブとともに独創的な装いも私たちに刺激を与えてくれる彼が、渋谷PARCOの「THOM BROWNE」をショップクルーズ。現代のテーラリングを身に纏い、新たな顔を魅せてくれた。

Photo
Shunya Arai
Stylist
Lambda Takahashi
Text
Hisako Yamazaki
Edit
Mariko Araki, Hanako Fujita(RIDE)

静寂の中に宿るダークファンタジー
THOM BROWNE 2024秋冬コレクション

恋人を失い、心乱れる青年のもとに言葉を話す大鴉(カラス)が訪れることで、青年はひたひたと狂気へ陥ってゆく――エドガー・アラン・ポーが1845年に発表した物語詩『大鴉(The Raven)』からインスピレーションを得た、「THOM BROWNE」のWomen’ and Men’s fall 2024 collection。コレクションに登場するミリタリー仕様のカシミア、手織りツイード、地金の刺繍で仕立てられた強いショルダーのテーラリングコートはカラスの大群を表現し、カラスやバラなどが今季の象徴的なモチーフとして、白と黒を基調としたコレクションルックのなかに散りばめられた。
「この撮影のことをFACETASMの落合(宏理)さんに話したら、『THOM BROWNE、意外でいいね』って言われたんです」
暗闇に溶け込む、カラスの群れが刺繍された真っ黒なコートに身を包んだ千葉雄喜さん。芸術とファンタジーを同時に宿すアートピースに袖を通し、普段とは異なる新しい一面を魅せてくれた。
「スーツを着る機会はあまりないんですけれど、シルエットが綺麗なスーツだなと思いました」

すべて参考商品

古典的なアメリカン・トラディショナルを
現代のテーラリングへ再構築

2003年、ニューヨークのウエストヴィレッジにある小さな予約制のショップで5着のスーツを販売しビジネスをスタートさせ、メンズ(2003年)とウィメンズ(2011年)のコレクションをスタートするまでに至った「THOM BROWNE」。伝統的なプロポーションに疑問を投げかけることで、現代におけるユニフォームであるスーツを見事にモダンに変化させた。古典的なテーラリングを再解釈して作られる彼の服は、質の高いクラフツマンシップとアメリカの感性を象徴している。
アメリカの東海岸のプレッピースタイルから着想を得ながら、同時に独創的に職人技でデザインされた、千葉雄喜さんが着用するストライプ柄のクラシックなシアサッカースポーツコートとトラウザーは、まさにブランドを象徴するスタイルだ。
撮影中に店内を見渡して「これ、かわいいね」と彼が手に取ったのは、トム・ブラウン氏の愛犬 ヘクターを象った「ぺブルグレイン ミニヘクター クロスボディーバッグ」。まるで本物のミニチュア・ダックスフンドと戯れるかのように、自然と笑顔がこぼれる千葉さんの姿をカメラにおさえた。

シアサッカー スポーツコート ¥325,600、シアサッカー トラウザー ¥167,200、ポロシャツ ¥174,900、ミニHECTOR クロスボディーバッグ ¥243,100、スニーカー ¥88,000

THOM BROWNEのクラシックな
コードを表現した“シルバーオフィス”

渋谷公園通りに面した1Fエントランス付近に位置する「THOM BROWNE」は、東京では青山の旗艦店に続くメンズ・ウィメンズの複合ストアに。コレクションラインから、バッグ、シューズ、アイウェア、フレグランス、アクセサリーまでが豊富に揃う。デザイナーであるトム自身のこだわりを詰め込んだミッドセンチュリーの“シルバーオフィス”からインスピレーションを受け、店内のインテリアにはオフィスデスクやタイプライター、ブラインドなど、THOM BROWNEのクラシックなコードが散りばめられ、ブランドの世界観を存分に楽しむことができる。秋のファッションをアップデートする気になるアイテムと出合えるはず。

千葉雄喜の感覚と感性。
“いま”という瞬間を尊ぶ純真さ

クリエイティブを続ける彼は、普段どんな視点で世界を眺め、何に心を震わせているのだろう。

——最近、美しいと感じたものは?
「海です。今日、飛行機に乗ってて“ザ・ネイチャーなんとか”っていう映像を観て。海だったんですよ、それが。海のなか、深海にも入っていって『すげえな〜』って。海に潜ったことは、ハワイとかでちらっとありますけど、深海まではないですね。鯨とかも見たことないっすね」

——ファッションの魅力は、どんなところにあると思いますか?
「ファッションの魅力……。ファッションの魅力は、わかんないですね。でも、服は好きです。自己表現みたいな意味は全然ないです。そのとき好きなものと、なにか自分に縁のある服を着ます」

——自分の心に影響を及ぼすような作品に出会ったことがありますか?
「最近だと、『鋼の錬金術師』って漫画で号泣しました。あれ、やばくて。最後に号泣。はじめて漫画で号泣しました」

——千葉さん、実はすごく純粋ですよね?
「純粋なんですかね?(しばらく考えて)はい、純粋です(笑)」

——では、千葉さんの感性を刺激することは?
「すべてです。もう、すべてですよ。今もそうですし、すべてですね」

——今まで生きてきたなかで、忘れられない言葉や忘れられない景色はありますか?
「忘れられない景色……いや、わかんないっすね。ひとつには選べないですね。忘れられない系、ムズいですよね(笑)。ちょっと難しいっすね。あっ、(忘れられない言葉は)『純粋ですね』って言われたことですね。さっきの(笑)」

ショップ名
THOM BROWNE
フロア
1F
電話番号
03-6427-0388
公式ブランドサイト
https://www.thombrowne.com
公式SNS
Instagram(@thombrowne
X(旧Twitter)(@ThomBrowne
LINE :(@thombrowne


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千葉雄喜

1990年4月22日生まれ、東京都北区王子出身。2020年1月にKOHHとしての引退を表明。2024年2月に、本名である千葉雄喜として「チーム友達」を配信リリース。国内外でムーブメントを起こす話題曲に。昨年末より開始した、月刊文芸誌『文學会』で連載中の「千葉雄喜の雑談」をはじめ、Yan Seku初のソロアルバム『NATURAL PUNKS』の総合プロデュース、MV監督・撮影・編集などを手掛けるほか、地元である北区王子にあるセレクトショップ「Dogs」のディレクション、アート作品などを発表など、多岐にわたる活動をしている。
Instagram(@yukichiba_

 

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