数々のトップメゾンのショーで活躍するモデル・UTAが訪れたのは、モダンなアメリカン・トラディショナルの旗手である「THOM BROWNE」。昨年6月、2年ぶりに行われたパリコレクション(2023年春夏メンズ)にも訪れたという彼が、コレクションで実際に見たショーピースを纏ってファッションシューティングを。
- Photo
 - SASU TEI
 
- Hair
 - MASASHI KONNO(ota office)
 
- Text
 - Hisako Yamazaki
 
- Edit
 - RIDE Inc.
 
メンズウェアの新しい可能性を開拓した
 23SSメンズコレクション
「THOM BROWNEのファッションは?」と聞かれたら、グレーのテーラードスーツとアメリカントラッドなスタイルを思い浮かべる人が多いだろう。23SS メンズコレクションは良い意味で期待を裏切り、グレーにイエロー、グリーン、ブルーにピンクそして水色……色とりどりのツイードを身に纏ったモデルたちがランウェイを彩った。THOM BROWNEの真骨頂であるテーラリングを基調に、クラシックでフェミニンなツイードというファブリックが、カーボーイ、サーファー、船乗り、テニスプレイヤーなど挑発的でアスレチックな活力溢れるマスキュリンなフォルムで表現されている。多くのルックに取り入れられたのは、究極のマスキュリンなガーメントである“ジョックストラップ”――ツイードの柔らかな女性的なエッセンス×屈強な男性的なエッセンスを見事に融合したルックは、デザイナーであるトム自身の好奇心と探究心を表したファンタジックなコレクションとなった。
 
 
細部までに溢れる遊び心で
 ファッションのファンタジーを体現
UTAさんが着用したルックは、THOM BROWNEのステートメントでもある究極なプレッピーのシンボルの“アンカー”が金銀のモールやサテンステッチで、そしてあえてダメージ加工を加えた糸で施されたシングルブレストのジャケット。それは、期待を裏切らないマスキュリンなテーラリングを感じさせるスタイルであると同時に、ショート丈のパンツとおへそを覗かせたクロップドのインナーを合わせるという予想外のアプローチ。「6月にパリコレに行った際、THOM BROWNEのショー(23SSメンズコレクション)を拝見させていただき、衝撃を受けました。演出そのものが意外性に満ちていてファッションショーというより、もうエンターテインメントだったんです。なにかの劇を見ているみたいな感覚になるような。そういう雰囲気の中で見た洋服でもあったので、とても新鮮でした。コレクションで一番目に入ったのが、アンカーのヘッドピース。ヘッドピースをしたモデルが何かのキャラクターにも見えるし、そこにとてもパワーを感じたんです。ジャケットのサイドベンツやジョックストラップには、THOM BROWNEカラーである赤青白のトリコロールテープがさりげなく施されていて素敵だなと思いました」
 
 
 
 
THOM BROWNEの美意識が宿るアクセサリーで
 春のファッションをアップデート
渋谷PARCO店ではメンズ・ウィメンズのレディ・トゥ・ウェアに加えて、バッグやシューズ、アイウェアやフレグランス、アクセサリーも豊富に揃う。眼鏡やサングラスが好きと言うUTAさんが「これいいですね」とチェックしたのは、べっ甲柄のアセテートにクリアレンズを組み合わせたパントスシェイプの眼鏡。テーラードのスーツにもよく似合う、カーフスキンレザーのスニーカーも春のファッションをアップデートするアイテムとして注目したい。
 
 
 
  TB716 トータス ラウンド眼鏡 ¥62,700  
 
 
 
 
  ホワイト ラバーカーフスキン スニーカー ¥88,000 
“なんでも面白がる”――祖母の教えが
 夢を追いかける原動力に
小学5年生の頃から始めたバスケットボールに夢中になり、バスケット選手になる夢を抱いたUTAさんは16歳でアメリカ・フロリダ州にあるIMGアカデミーに入学し、3年間バスケットボールに打ち込んだ。
 「本物のアスリートしかいない学校だったので、努力することは当たり前。どんなに練習が厳しくてもバスケをしていて苦しいと思うことは、一度もなかったんです。もちろん、純粋に『体が限界』ということはありましたけれども(笑)。選ばれしアスリートのエリートたちに混じって、はじめはすごく不安もありました。恐怖とまではいかなくても……慣れない世界だったし、どうハイレベルの彼らと交わっていくかというのは大きなチャレンジだったんです。それでも『人にはそれぞれの道がある』という考えがあったので、比較ではなくここでは本当に今までにないくらい自分に集中して頑張ろうって思いました――覚悟ですよね。そのくらいバスケを愛していたから、できたことでもあると思うんです。
 振り返ってみれば、あの3年間がなければ今の自分はいない。スポーツという側面だけでなく、精神的にもとても鍛えられました。モデルはメンタルが強くなければできない仕事。例えば、オーディションに落ちることは珍しいことではないし、凹む場面はいくらでもあります。それでも挑戦し続けるという強い気持ちを持たけなければ、その夢は叶わない。それはある意味、メンタルとの戦いみたいなものだから、そこで折れてしまう人もいる。でも、アメリカで粘り強さを学び、ネガティブな状況であってもそれをどう面白く捉えるかを探したり、心が落ちているときは少しでもプラスだと思えるかけらを見つけようとしてきました。祖母が教えてくれた“なんでも面白がる”という精神もあって、ポジティブに前に進めてこられたのだと思います。失敗を失敗とは思わず、有り難いと思ってみる。大変なことですが、それで見えてくるものがあるかもしれないと思うんです」
 

- ショップ名
 - THOM BROWNE
 - フロア
 - 1F
 - 電話番号
 - 03-6427-0388
 - 公式ブランドサイト
 - https://www.thombrowne.com
 - 公式SNS
 - Facebook(@THOMBROWNENY)
Instagram(@thombrowne)
Twitter(@ThomBrowne) 
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UTA
モデル。1997年、東京生まれ。幼少からインターナショナルスクールで学び、中学時代はスイスへ留学。高校からは米国へ渡り、その後、ディビジョンⅡの大学にて、バスケットボールチームに所属し精力的に活動。2018年、フランスのモデルエイジェンシーSUCCESSと契約し、パリ・ファッション・ウィークにてランウェイデビュー。東京を中心にミラノ、ロンドン、ニューヨークでもモデルとして活躍中。
 Instagram(@utauuu)




